もしそれらが行動に移されたなら、中国は当然その報復に出るだろう。その犠牲になるのは、中国に拠点を置く米国企業だ。先ごろ、日本経済新聞は「上海市政府は米自動車大手のゼネラル・モーターズの中国合弁会社に対し、34億円の罰金を科す」と報道したが、「北京ではすでに報復リストが作られている」とも言われ、“米中の貿易戦争”が本格化するのも時間の問題と囁かれている。

在中の韓国、台湾企業も
報復の対象に

 中国の報復は高関税ごときでは済まされない。中国側の徹底したやり方で、米国企業の中国市場開拓の行く手を阻むだろう。すでに中国では韓国企業も痛い目に遭っている。

「中国大陸に進出する韓国企業も中国政府のいじめられている」と明かすのは上海のビジネスコンサルタントだ。

 2016年7月、韓国政府は米最新鋭ミサイル防衛システム「THAAD」を韓国の米軍に配備することを正式に決定したが、これに反対する中国政府は、在中韓国企業のあらゆる活動を凍結させているというのだ。

 中国で韓国企業といえばロッテがその代表格。現在、中国で百貨店やショッピングモール、食品スーパーなどの流通拠点を大々的に展開しているが、そのロッテ集団の営業活動に「待った」がかけられたという。韓国メディアは、中国の税務や消防、衛生面などの関係当局があの手この手で韓国企業に嫌がらせをしている実態を報じている。

 また、現代自動車は今秋、河北省に新工場を竣工させたが、「韓国大使の祝辞が中国当局によってキャンセルさせられた」(中国の電子メディア)など一波乱が起きた。これ以外にも、通関拒否や検疫強化など“報復事例”は増加、韓流スターの往来など民間交流にも影響を及ぼしているという。

 中国による報復は台湾にも及んでいる。

「これまで、中国からの団体旅行客でにぎわっていた台北だったが、今ではすっかり影を潜めている」と語るのは、台北と東京を往復する台湾人の企業経営者だ。しかし、これは先の「トランプ・蔡電話会談」によってもたらされた報復ではない。