年収数百万円の人が突然年収1億円にもなれる――個人が付加価値をどれほど提供できるかで序列が決まる時代が到来している今、30代からのキャリアでは、手元にあるピースの組み合わせ次第で人生を変えられる。いかにして30代以降を楽しめる、市場価値の高いビジネスパーソンになれるのか。前回に続き、パーソナルブランディングのプロであり、数々のベストセラー作家の「著者ブランディング」を手がけてきた出版コンサルタントの土井英司氏が語る。
新卒時からキャリアを考える時代到来
30代以降と20代はどう違う?
1974年生まれ。株式会社セガ・エンタープライズ、日経ホーム出版社の就職雑誌『日経アドレ』編集を経て、2000年にAmazon.co.jpの立ち上げに参画。『ユダヤ人大富豪の教え』(50万部突破)、『プログラムはなぜ動くのか』(17万部突破)をはじめ、次々にベストセラーを仕掛ける。2001年、同社のCompany Awardを受賞。2004年、エリエス・ブック・コンサルティング設立。出版コンサルタントとして、数々のベストセラー作家を輩出。日刊書評メールマガジン「ビジネスブックマラソン」(読者5万人)を配信中。著書に『「伝説の社員」になれ!』(10万部突破)、『20代で人生の年収は9割決まる』(5万部突破)
南 土井さんの著書のタイトルである『20代で人生の年収は9割決まる』時代というのは今までの時代とどう違うのでしょうか?
土井 僕がこの本を書いた理由は、これからの新卒は会社に受かればいいというだけではなく、新卒のときからキャリアを考えなければいけなくなったからです。以前はもっと適当でも大丈夫だったのです。そこそこ有名な企業に入って、それなりにがんばっていれば道は開けていった。しかし今はどう考えてもそういう時代ではないでしょう?
一方で、自分の使命のようなものを愚直にやり続けることで成功する若者がいます。クックパッドの創業者の佐野さんは同じ大学の同期なのですが、学生の時は学校で野菜を作っていたり、ソーラーカーを作っていたりしてお金にならないことばかりやっていた不思議な青年でした。
社会人になって5年経ってもまだ儲かっていなかった時はちょっと心配しました。でも彼は「レシピも集まっていて、サービスもよくなっている」とあっさり言うのです。お金の心配以前に、彼は「食は人を幸せにする」というビジョンを貫いている。人が集まってサービスがよかったら、金は作れますからね。信念はどんな時代でも、やはり力強いです。