嫌いな人を変えることはできない。
そんな時は感謝してみよう

 怒り、失望、あるいは苦しみを表現している不幸な人に出会う日があるかもしれません。
 そんな人にいやな感情を向けられたら、彼らに感謝するのは難しいかもしれません。いやな感情を向けてきた人に感謝できるだけの強さがないという理由で、あなたは自分を責めるかもしれません。
 私たちは何も、望まないものを直視して、いい気分でいなさいとは言いません。そんな人や出来事に出会ったら、気分がよくなるものを探してください。

 感謝する対象を探しているとき、人にどう思われるかではなく、自分がどう思うかに関心を向ければ、自分の経験をコントロールできます。
 今日、彼らの離婚の原因を作ったのが誰か、彼らの銀行口座から金を盗んだのが誰か、あなたは知りません。よって彼らが否定的な反応を示す理由もわかりません。あなたはその状況をコントロールできないのです。
 自分の気分がよくなる以上に重要なことはないと決意すれば、また、今日は感謝する対象を意識して探そうと決意すれば、あなたが関心を向けた対象が感謝の気持ちをもたらしてくれます。

人生経験は、
あなたの送るエネルギーに左右されている

 あなたの経験に影響を及ぼすのは、エネルギーをどう送っているかだけだということを理解せずに、チャンスや運や偶然や統計が経験を左右すると考えているとします。
 その場合、たとえば殺人犯が逃走中で、車から発砲しているとニュースで知ったとしたら、あなたの幸せ、すなわち“無上の幸福”は犯人の行動に左右されると考え、自分は無防備だと感じるでしょう。
 あなたの“無上の幸福”が犯人の行動によって決まり、あなたにはその男をコントロールできず、男の居場所もわからないとなると、無防備だという思いはいっそう強くなります。

 悪い人が戻ってきても状況は変わらないと思い出すのです。
 感謝することに集中していれば、感謝する気持ちはすぐに戻ってきます。感謝の気持ちが戻ってくるのを期待するのではなく、その気持ちを意図的に自分の中に湧き出させるのです。