周囲に目を向けることから始めて、喜びを与えてくれるものに少しずつ気づいていきます。
 心地よい対象に関心を向け続け、それがどんなに素晴らしいか、美しいか、役に立つかを考えてみましょう。長く関心を向けているうちに、その対象についての肯定的な感覚が増します。

 気分がよくなったことに気づいたら、その感覚を認めましょう。
 最初と比べていい気分が強くなったら、次に肯定的な関心を向ける対象、喜びを与えてくれる対象を選びます。
 感謝の気持ちが無理なく湧いてくる対象を選びましょう。このプロセスの目的は、問題を見つけて正すことではなく、よりいい気分に至ることです。気分のいい物事に長く焦点を定めていれば、それだけいい気分を保つのが楽になります。

 このプロセスを始めたときに目指したいい気分へと短時間で楽に上がっていけるようになれば、時間が許すかぎり、またいい気分が続くかぎり、「感謝する」プロセスを続けてください。

 最初はこのプロセスに一日10~15分、あてるとよいでしょう。数日間、いい気分を意図的に保つことに恩恵が感じられたら、あまりの心地よさに毎日、短時間ずつ何度でも実践できるようになるはずです。

 たとえば、郵便局で順番待ちをしながら、次のように考えるかもしれません。

 この建物はとてもすてき。
 この場所はいつも清潔に保たれていて素晴らしい。
 郵便局の職員が親切でうれしい。
 お母さんと子どものやりとりがほほえましい。
 今日も順調だわ。

 あるいは車で通勤中に、こう考えるかもしれません。

 私はこの車が気に入っている。
 この新しい高速道路は快適だ。
 雨が降っていても、楽しい時間を過ごしている。
 私の車は頼りになる。
 私は自分の仕事に感謝している。

 感謝する対象に焦点を定めて、別の理由を見つけてもいいでしょう。
 たとえば、次のように。

 この建物はとてもすてき。
 前の郵便局よりも駐車スペースがずいぶん増えた。
 カウンターも増えて、順番待ちの時間が短くなった。
 窓が大きくて解放感がある。
 この新しい高速道路は快適だ。
 信号がないので、速度を落とさずにすむ。
 以前よりもかなり速く走れる。
 途中で美しい景色を楽しめる。

 感謝する対象を見つけることに心が向くようになると、あなたの一日は感謝できる物事にあふれているのに気づくでしょう。感謝する思考と感情が自然に湧いてくるようになります。

1つ感謝すると、
次々と感謝できるものがやってくる

 何かに感謝し、称賛し、気分がよくなるたびに、あなたは宇宙に「感謝できる対象をもっと与えてください」と言っているのです。
 とはいえ、このような思いを口にする必要はなく、あなたがいつでも感謝ばかりしているなら、あらゆるいいことが流れてきます。

 たびたび次のような質問を受けます。
「感謝するというよりも、愛という言葉のほうがふさわしくありませんか?
 愛のほうが“見えない世界のエネルギー”をうまく表現してはいませんか?」

 愛と感謝は波動が同じです。
 ありがたいという感覚で表現する人もいますが、いずれの言葉も“無上の幸福”を言い表しています。感謝したいという思いは最初のステップとして好ましく、「ありがとう」と言いたくなる対象が増えれば、たちまち勢いが生まれます。感謝の気持ちを感じたいと思えば、その対象が引き寄せられます。感謝すれば、他の感謝できる対象が引き寄せられ、やがてあなたは次々に感謝するようになります。