このシーンを撮影できたのはNHKだけで、ほかの放送局は閉店してシャッターを下ろした店の状況だけを放送していました。

 私のまわりの職員たちは、特ダネをつかんだ彼らに対して「彼女らは運がいい」とうらやましがっていました。私は、そんなうらやましがっている職員に対して、「ちょっと待てよ」とさえぎり、次のように話したのです。

「運とツキは神さまが公平に与えてくれるんだ。問題はその運とツキをつかむか、逃すかのどっちかだぞ。では、つかむためにはどうしたらいいのか──。

 自分の持ち場で、自分の仕事をきちんとやり遂げるという、ごくあたりまえのことをやるだけ。それをちゃんとやった者にだけ、神さまは運やツキを与えてくれるんだ」

 努力なくして、運を手にすることはできません。

 努力は、運を引き寄せる最低条件なのです。

 さらに言えば、運やツキに見放される人は皆、ある共通項があります。

 それは、成功は自分の実力だと思い、失敗すると他人のせいだと考えることです。せっかくそれまで努力をして、運を引き寄せたのに、その努力と運をごちゃ混ぜにして、自分の実力だと思ってしまうのです。

 すると、運も含めた力すべてを、自分の実力だと思ってしまいますから、努力に手を抜くようになってしまいます。その結果、今までのようにうまくいかなくなってくるのです。

 ところが、自分の努力不足を棚に上げ、悪くなった理由を外に求めるため、悪循環に陥ってしまうのです。

 運やツキは努力と不可分です。

【最強の言葉】
運を確実に引き寄せる法──努力

(アサヒビール元会長兼CEO 福地茂雄 )