食生活指導の集団研修をしていると、同じ職場環境、生活環境であり、通勤時間などもあまり変わらないのにもかかわらず、ときおり受講者の中でずば抜けて目を引く食事記録があります。それは今回取り上げる、単身赴任中の方々の食事記録です。
彼らの食事記録は記入が少なく、まるで白紙で提出したかのように、余白が目立ってしまうのです。どのような食生活を送っているのか、一例を挙げます。
朝 パン
昼 仕出し弁当
夜 アジフライ、カップ麺、ビール2缶
このように、明らかに買ったものだけで済ませているような料理名が記入されています。朝から2、3品食べていたり、夜も自宅で食事しているのだろうな、という他の人の食事記録が並ぶ中、簡素で品数が少ない食事記録は目を引きます。
“余白が多い=品数が少ない”場合、少量でもお腹が満たされるものを選ぶので、揚げ物や丼もの、カップ麺など、高カロリー食品のオンパレードになります。そうすると、メタボ腹も加速しがちです。
しかも、こうした食生活を送っているのが20代、30代の若手社員というわけではなく、40代、50代といった年齢層なのです。そうした人たちと話してみると、「いま、単身赴任中なんです」と言われます。
赴任先によっては、外食の選択肢が極端に少ない地域もあります。どこに行くのも車で…となると、お酒を飲む人は億劫になり、スーパーでお惣菜とお酒を買ってきて済ますスタイルになってしまいがちなのも頷けます。
私は、こうした単身赴任者の食事の相談に乗る中で、食事の選択肢が限られること以外に、慣れない生活で「時間」の使い方が変化することで、食事に影響が出ていることにも気がつきました。