とはいえ、コテコテに抗がん剤を使うのだから副作用はきつい。吐き気、嘔吐、脱毛や感染による発熱、貧血などが典型で、薬によっては手足のしびれや腎機能障害が生じる。つらさのあまり我慢できずに抗がん剤を減量したり、投与間隔を空けると、がん細胞が耐性をつけてしまうので、「治す」と覚悟して踏ん張るしかない。

 また後腹膜のリンパ郭清術を行った場合は、射精機能に障害が生じ、男性不妊の原因になることもある。最近は射精機能温存術も普及してきたが、まだ治療成績の施設間差が大きいので慎重な選択が望ましい。性機能を優先するあまり、生命を危機にさらしては元も子もない。

 今年10月30日には、国内初の精巣腫瘍患者友の会「J‐TAG」(www.cancernet.jp/j-tag/)が発足した。疾患啓発のほか、体験談や精子保存についての情報を提供する予定である。患者数が少ないうえに、疾患の場所が場所だけに一人で悩んでいる男性もいるだろう。友の会のブログもある。ぜひ、アクセスしてみてほしい。