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毎年9月は「がん征圧月間」だ。
若年者は「自分には関係ない」と思いがちだが、実は世界的に若年層(20歳以上50歳未満)でのがんの新規発症率が増加しているのだ。
国立がん研究センターを中心に国際共同研究チームが実施した世界44の国と地域を対象とした調査によれば、女性では大腸がん、子宮頸がん、膵臓がん、血液がんの一種である多発性骨髄腫が、男性では前立腺がん、大腸がん、腎臓がんの新規発症率が高齢者と比較して顕著に増加。特に大腸がんは男女ともに死亡率も増加している。
なぜ、若年層のがんが増えているのだろうか。米セントルイス・ワシントン大学の研究グループは「生物学的な老化の加速」が関与しているとの仮説を立て、検証している。
研究者は英米のバイオバンク(個人の細胞や遺伝子など生物試料と病歴などデータを集積したデータベース)から、およそ16万4000人分のデータを解析。参加者の実年齢と生物学的年齢の差を「Age Gap」として、若年がん発症との関連を調べた。
その結果、若い世代ほど古い世代よりAge Gapが大きいことが示された。たとえば英国の1965~75年生まれは50~54年生まれよりもAge Gapが23%大きく、実年齢以上に老化が早かったのだ。老化の加速は若年発症の臓器がんリスクと明確に関連し、がんリスクが8%上昇していた。
米国でもミレニアル世代を含む90年代生まれのAge GapはX世代(65~69年生まれ)より92%大きく、若年発症の臓器がんリスクも22%上昇。
さらに臓器別のAge Gapをみると免疫細胞を供給する胸腺の萎縮や免疫応答の低下など、免疫システムの老化は肺がんと強く関連し、肥満などの影響で内臓脂肪や脂肪組織が実年齢以上に老けている場合は、大腸がんの発症と強く関連することも判明している。
若い世代の老化が加速している要因は明らかではないが、いずれにしても「がん年齢」の意識を変える必要がありそうだ。実際、欧米では大腸がんの検診開始年齢を現行の50歳から45歳へ引き下げる動きが加速している。
ありがたいことに、日本の公的大腸がん検診の開始年齢は40歳だ。きちんと利用していきたい。
(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)







