ここまで世界の株式市場は順調に上昇を続けてきたが、足元は北アフリカ・中東情勢を嫌気して、不安定な動きとなっている。

 チュニジアで始まった反政府デモは瞬く間に北アフリカ・中東全域に拡大したが、市場への影響は限定的だった。それが、ここにきて影響し始めたのは、リビアからの石油供給に支障が生じて原油価格が高騰、これが世界景気の悪化懸念につながったためだ。

 しかし、原油高が経済に与える影響はそれほど大きくないと考えている。経済協力開発機構(OECD)発表の景気先行指標と原油価格を比べると、指数の動きに原油が追随している。「景気が原油価格に影響する」のであり、その逆ではないことがわかる。