1億円の土地が2000万円扱いに?相続税を0円にする驚きの節税術
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。

1億円の土地が2000万円扱いに? 相続税を0円にする驚きの節税術Photo: Adobe Stock

相続税を0円にする驚きの節税術

 本日は「相続税」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。参考にしてください。

 相続に際して、相続税の申告が必要になる方とならない方がいます。まずは、ご自身がどちらに該当するかを確認しましょう。

そもそも、申告が必要な人って?

 遺産の合計額が、次の算式で計算された基礎控除額を超える方です。

「3000万円+600万円×法定相続人の数」

 例えば、相続人が妻と子ども2人の場合は、相続人が3人となるため、3000万円+600万円×3人=4800万円です。遺産の合計額が4800万円を超えるのであれば、相続税の申告が必要になります。

すごい特例①「小規模宅地等の特例」

 相続税の計算には、さまざまな特例があり、その特例を使えば、遺産が基礎控除額を超えたとしても、結果的に相続税が0円になることがあります。しかし、たとえ相続税が0円だったとしても、特例を使うには、相続税の申告が必要になることがありますので注意が必要です。

 例えば、「小規模宅地等の特例」という制度があります。これは、故人が自宅として使っていた土地を、配偶者か、故人と同居していた親族が相続した場合には、土地の評価額を330m2(約100坪)まで8割引きするという特例です。

 仮に1億円の土地であったとしても、この特例を使えば2000万円の評価で相続税が計算されます。その結果、基礎控除額を下回り、相続税が0円になる方が非常に多いのですが、この特例を使うには、相続税の申告が必須になりますので、ご注意ください。

すごい特例②「配偶者の税額軽減」

 また、夫婦間の相続であれば、最低でも1億6000万円まで無税になる、「配偶者の税額軽減」という特例があります。極端な話、遺産が1億6000万円以下の方であれば、すべての遺産を配偶者に相続させれば、相続税は0円になります。ただ、この場合も先ほどと同様に、相続税の申告が必要になりますので、ご注意ください。

 一方で、相続税申告が完全に不要となるケースも存在します。例えば、生命保険金の非課税枠を使うと基礎控除額を下回る場合には、申告は不要となります。そのほかにも、相続税の障害者控除、未成年者控除などの各種税額控除を使って相続税が0円になった場合にも、相続税の申告は不要です。

「相続税0円」にすると、二次相続が大変です

 配偶者の税額軽減を最大限に使えば、相続税は結果として0円にできますが、この形が有利になるとは限りません。むしろ最終的には不利になることも多いです。その理由は、一次相続で配偶者に遺産を相続させすぎると、二次相続(配偶者が亡くなった場合)の税金が非常に高額になるからです。

相続税の申告と納税の期限

 相続があったことを知った日から10か月です。例えば、令和8年4月1日に相続があった場合は、その10か月後である令和9年2月1日が申告期限となります。10か月後が土日祝日であった場合は、次の平日が申告期限です。この日までに申告書を税務署に提出し、納税まで完了させる必要があります。なお、申告と納税は、期限内であれば、どちらが先でもOKです。納税が先、申告を後にするというケースもあります。

(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)