実際、先日の東北・関東大地震の後、筆者の元にも、多くの当事者たちから「自分が被災地へ行って、力になりたい」「被災者のために何かできることはないでしょうか?」といった問い合わせがいくつもあった。もちろん現地は、いますぐ個人のボランティアを受け入れられるような状況ではない。いいたいのは、被災地の惨状を見て「手助けしたいけど、自分は何もできない」と胸を痛める、優しい心音を持った人たちが多いという事実である。そういう人たちが引きこもっていると考えると、社会的損失は大きいともいえる。

「何らかの能力があると思うので、自信を持って、社会に還元していただきたい。どこかに還元できる領域を見つけられれば、それが自分の強みにつながっていくと思う」

一歩を踏み出すための
“朝活”と“体系的廃棄”

 では、どうすれば一歩を踏み出せるのか。

「引きこもり」の人たちは深夜まで起きていて、生活が昼夜逆転していることも少なくない。中野氏は同書で「ドラッカーは、朝を有効に活用した」と指摘する。

「僕は朝6時半に起きて、7時半に仕事を始めます。そこから昼食を取る午後1時過ぎまでの5時間半から6時間くらい、仕事の能率が高まることをあるとき発見しました。以来、ずっと続けているのですが、1万字くらい執筆が進むことがある。1日分の仕事量ですよ。すると、昼からは付録の時間。とてもトクした気になりますね。引きこもりの人たちも、一度、生活習慣を変えてみると、違う自分を発見できるかもしれません」

 それから中野氏は「睡眠を6時間以上取らないと、ものごとをしっかりと考えられない」という。ドラッカー的な生き方は、「引きこもり」の人たちにも気づきを与えて、有効かもしれない。

 また、日頃のムダな活動を特定する方法がある。ドラッカーが繰り返し提唱し続けた「体系的廃棄」と呼ばれるものだ。