しかし、入社し、社員になった瞬間に「会社を評価する」立場から、「会社に評価される」立場に変化します。このことを理解できないと新入社員は成長することができません。

 なぜなら、人は「他者の評価」を認識して、初めて正しい方向に成長ができるからです。会社における「正しい成長」とは、「会社の求めることができるようになること」です。会社からの評価、つまり、「自分に今、何が足りないか」を認識し、それを埋めることで成長をしていくのです。

「会社を評価する」立場から抜け出すことができない人は、自分の不足を認識することが難しくなります。なぜなら、うまく行かないことは「会社が悪い」という認識を持つからです。

“社員”である以上
会社を評価する資格はない

「社員にも『会社を評価する』資格はあるはずだ」――。

 そんな声が聞こえてきそうです。もちろん、会社がダメだと思えば、辞める権利を持っているのですから、“一人の人間”としてはその資格はあります。しかし、“社員”である以上はその資格はありません。

 理由は簡単です。会社は市場からの評価を受け、その市場が認めた有益性に対する対価として収益を得ます。そして、社員は会社からの評価を受け、その会社が認めた有益性に対する対価に給与を得ます。評価を獲得する順番は、会社は市場から、そして、社員は会社からという流れでしかないのです。

 なかなか良い成果が上がらない時に、「会社を評価」して、「私がうまくいかないのは会社が悪い」と言っても、残念ながら給料は上がりません。

 なぜなら、会社は社員を評価し、発揮している有益性に対する対価として給与を支払うからです。社員である以上は「会社を評価する」という機能はないのです。たとえ、評価したとしても、それは全く無意味な作業なのです。

「会社を評価」できると思っている新入社員がいるとすると、それは不幸なことです。どれだけ「俺がこんなに頑張っているのに、会社が分かってくれないのが悪い」と会社を評価しても、事実は何も変わらないからです。