「期待していた新入社員が1週間で来なくなった」
 「辞めそうな社員は月曜日に休みやすい」
 「困っていることの相談に乗ろうとしても、新人が心を開いてくれない」

すぐに辞めてしまう新入社員の思考には、3つの大きな問題がありました

 費用や時間をかけて採用した人材に、すぐに退職されてしまったら元も子もありません。まして予兆もなく突然辞められてしまうと、社内採用の計画に大きな支障が出ます。

 本連載で以前に書いた記事「付箋で退職届!?トンデモな辞め方をする若者たち」でも取り上げましたが、こんな新入社員も実際にいました。お昼休みまでは確かにいた新入社員が午後になっても戻らず、気になった先輩が新入社員の机を見てみました。すると、「辞めさせてください」とだけ書かれた黄色い付箋が貼られていた、というのです。

 新規大学卒業者の離職率の推移をみても、「ゆとり・さとり世代」で極端に高くなっているわけではありません。これは厚生労働省のデータ(※1)からも確認することができます。

(※1)学歴別卒業後3年以内離職率の推移
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/24-02.pdf

 ちなみにお恥ずかしい話ですが、私自身が過去に採用コンサルタントをしていた際に関わった若者の最短退職日は入社から0日です。つまり、当日来るべきはずの新人が会社に来ず、終わったことがあります。

 では、突然辞めてしまう社員にはどういった特徴があるのでしょうか。また、どういう思考回路で辞める決断に至るのでしょうか。新入社員の特徴や、そうなりそうな人の兆候、そして辞めさせないために周りのできる対応を考えていきたいと思います。

ゆとり社員が働きたくなくなる3大要因

 仕事を辞めたくなる人に欠けていることが多いのが、就業意欲です。そもそも働きたくなければ、辞めるという選択をする可能性はそうでない人より高くなって当然です。では、なぜ働きたくなくなってしまうのでしょうか。この就業意欲の低さには、いくつかの要因が挙げられます。