1位は北海道の8人
横綱輩出は「北高南低」か

 47都道府県で最も横綱輩出数が多いのは北海道で8人。大鵬(48代)、北の富士(52代)、北の湖(55代)、千代の富士(58代)といった人気や強さを備えた大横綱が出ているから納得する人も多いだろう。北勝海(61代)、大乃国(62代)もそうだ。ただ、北海道から初の横綱が生まれたのは意外に遅く、戦後の1951年に昇進した千代の山(41代)が最初。北海道は戦後の大相撲を支えた横綱の名産地といえる。

 2位は6人の青森。ここも戦後の1953年に横綱に昇進した鏡里(42代)に始まり、若乃花・初代(45代)、栃ノ海(49代)、若乃花・2代(56代)、隆の里(59代・稀勢の里の師匠)、旭富士(63代)と相撲ファンには馴染みのある横綱お輩出いている。

 これに次ぐのが4人の横綱を生んだ5都県。宮城、茨城、千葉、東京、鹿児島だ。ただし、宮城と千葉から横綱が出たのは江戸、明治、大正と古い時代ばかり。鹿児島、茨城も同様で、鹿児島で戦後の横綱は朝潮(46代)ひとり。茨城は今回の稀勢の里が男女ノ川(34代)以来、82年ぶりの横綱昇進となる。

 対照的なのは東京で、4人はいずれも戦後に活躍した横綱。東富士(40代)、栃錦(44代)、貴乃花(65代)、若乃花(66代)だ。

 3人を輩出しているのは栃木だが、この中には「伝説の横綱」とされる初代の明石志賀之助と2代の綾川五郎次が含まれる。

 2人輩出は石川、富山、愛知、三重、福岡、熊本の6県。この中で戦後に活躍したのは愛知の玉の海(51代)、石川の輪島(54代)、三重の三重ノ海(57代)、双羽黒(60代)がいる。

 1人だけは岩手、秋田、山形、新潟、神奈川、岐阜、滋賀、大阪、兵庫、岡山、広島、鳥取、島根、高知、愛媛、長崎、大分の17府県。名横綱には大分の双葉山(35代)、山形の柏戸(47代)、長崎の佐田の山(50代)、鳥取の琴櫻(53代)などがいる。

 そして、まだ横綱がひとりも出ていないところが16府県ある。福島、群馬、埼玉、山梨、長野、静岡、福井、京都、奈良、和歌山、山口、香川、徳島、佐賀、宮崎、沖縄だ。この横綱空白県のなかで現在幕内力士がいるのは4県。御嶽海=長野、北勝富士=埼玉、琴勇輝=香川、千代皇=沖縄である。初場所の番付はいずれも前頭で、実力は現在の位置を維持するので精一杯。目標は少しずつ番付を上げていき、まずは三役といったところだろう。だが、幕内で相撲を取っている以上、横綱になる可能性はあるわけだ。

 19年も日本出身力士の横綱が出なかった現実や、実力はあるのにあれだけ昇進で苦労した稀勢の里の姿を見ると、横綱への道のりの険しさがわかる。だが、彼らの出身地のファンには心の中で「いずれは横綱まで上り詰めてほしい」と思っている人も多いはずだ。

 時間はかかるかもしれないが、稀勢の里が空けた風穴に続く日本出身力士が現れて、地元を歓喜させてもらいたいものである。