写真を中心としたデジタル素材の販売サイトを運営する「PIXTA(ピクスタ)」の代表取締役社長の古俣大介さんは、御年40歳にして、起業4社目という経歴の持ち主だ。創業10年の新しい会社ながら経営はすこぶる順調で、2015年の9月にマザーズ上場も果たしたPIXTA。社会で活躍する人は、どんな子ども時代を送ってきたのだろうか? 花まる学習会代表・高濱正伸さんが『AERA with Kids冬号』で、古俣さんの少年時代に迫った。
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高濱:まずは小学生時代の話から聞きましょうか。優等生でしたか?
古俣:いいえ全く。国語の成績は良かったけど、あとは今ひとつ。高校は遊んでばかりいたし、大学も2年生までは正直かなり意識の低い人間でした。
僕は3人兄弟の真ん中だったんですが、兄とゲームばかりしてました。三日三晩ぶっ通しでやったこともありましたよ。とにかく「はまる」体質なもので。
高濱:ご両親には怒られなかったの?
古俣:両親とも働いてたんですよ。最初は父だけだったんですが、僕が小1か小2の頃、倒産しちゃって。で、母が商売を始めたんです。親戚の商売の余剰在庫を売りさばくところから始めたようです。僕の幼い頃の記憶のひとつに、大きな団地の広場みたいなところにゴザを広げて銀食器を売ったことがあるんです。兄弟3人で手伝いました。
高濱:すごい。強烈な体験だね。
古俣:ちょうどバブルの頃だったせいか、トントン拍子にうまくいったんです。母はすぐに自分の店舗を構えることができて、最盛期には8店舗になりました。
高濱:まさに起業ビジネスの成功モデルだ。
古俣:父も、全国各地のスーパーで催事事業を始めることになったので、2人とも大忙し。
高濱:じゃあ放任主義だったのかな?