ブラック企業の元営業マンが教える、会社に人生を奪われない心得ある日、「うちの会社、ブラックかも……」と気づいてしまったら、どうすべきか。理不尽な解雇を受けたブラック企業と戦い、700万円を勝ち取った経験を持つ26歳の元営業マンが、自らの経験を基に心得を説く

「ブラック企業」という言葉が日本で取り沙汰されるようになって久しいが、世論の風当たりが強くなっているにもかかわらず、違法な長時間労働やパワハラなどに関するニュースは後を絶たない。ある日、「うちの会社、ブラックかも……」と気づいてしまったら、どうすべきか。超ブラック企業の元営業マンで、理不尽な解雇を受けた後、会社と戦い700万円を勝ち取った経験を持つフリーライター・工藤ダイキ氏が、ビジネスパーソンが会社に泣かされないための心得を説く。

「うちの会社、ブラックかも」
気づいてしまったら、どうするか?

 私は現在、26歳のフリーライターです。実は以前、ブラック企業に新卒で入社し、数年間勤めていたことがあります。それはまさに、黒色に黒色を上塗りしたような壮絶なブラック企業でした。まずは私がその会社で経験したことを、お伝えしましょう。

 そこは、美容室にシャンプーやトリートメントなどを販売する専門商社。サービス残業は月100時間を軽く超え、手取りはたったの16万円弱。また上司からは日常的に「死ね・キモイ・臭い・童貞」と暴言を浴びせられ続け、ときには殴る蹴るなどの暴力を受けたこともありました。

 社長に相談すると「暴力はよくないけどアイツらにも想いがある。お前が悪い。始末書を提出しろ」と、まさかの逆ギレ。始末書提出を渋った私は25時過ぎまで会社に監禁され、泣く泣く始末書を提出しました。終電はありませんでした。

 またあるときは、営業車を運転中、助手席に座っている上司から殴られ、アザができたこともあります。上司が殴ってきた理由は、理不尽にも「車内が寒いから」です。痛みで運転に支障が生じたのですが、上司は嬉しそうに「ぶつかれー!いえーい!」と叫んでいました。