先日、2010年におけるシンガポールのGDP成長率が前年比で+14.5%、1965年の独立以来、最高の成長率を達成したと報道がありました。
昨年シンガポールを訪問した際、EDB(経済開発庁)担当者の話では、シンガポールでは金融、サービスだけでなく、国家戦略として石油化学など製造業への投資も積極に行っているとのことでしたが、2010年の製造業の実質GDPが29.7%増とサービス業の成長率を上回っていることからも、その発言を裏付ける結果となっています。
2009年、同国における実質GDP(2650億シンガポールドル)の業種別内訳は下記のグラフの通りです。
先日にシンガポールを訪問、再度、EDBの担当者にヒアリングをしたところ、2011年のGDP成長率の予測については4~6%とのことでした。
リゾート、高級不動産の開発が進むセントーサ島
中国、ロシアなどの富裕層が続々購入中
現在もシンガポールでは、この国の成長を裏付けるようにビジネス、観光、エンターテインメント、不動産など様々な分野で開発が進行中です。ここ最近ではセントーサ島北部にオープンしたリゾート・ワールド・セントーサ、ここはファミリーをターゲットとしたシンガポール初の総合リゾート施設で、34.3万平方メートルの敷地の中に、ハードロック・ホテルや、ホテル・マイケルといった高級ホテルはもちろん、ユニバーサルスタジオ・シンガポールをはじめとする世界クラスのエンターテインメント施設、多くのレストラン、ショップが集結しています。
また、このセントーサ島の東部に位置するセントーサ・コーブでは、ボートデッキ付きの戸建てバンガローや、プール付ベランダを持つコンドミニアムなど高級不動産が多く売り出されており、その多くを中国やインドネシア、ロシアなどの富裕層が購入しています。戸建てバンガローで高いものは約24億円とのことでしたが、既に買い手がついているようです。
同地区のコンドミニアムでは、390平米の部屋が約8億円で販売されていました。平米あたりの価格は200万円以上となります。他にも最大897平米のメゾネットタイプ、バルコニーにはプール付、部屋からは直接2台のプライベートパーキングに降りられるといった物件の価格は約20億円すると思われます。
また、こちらのコンドミニアムには核シェルターが備え付けられていました。先日を襲った東北・太平洋沿岸地震による福島原発の放射能漏れが話題となっていますが、日本でも核シェルターの問い合わせが増えているとも聞きます。