ホンダと米GMは、1月30日(米現地時間)に燃料電池車(FCV)の基幹部品(スタック)を米合弁生産で量産化することを発表した。ホンダは2013年にGMと燃料電池システムや水素貯蔵技術などの開発で提携したが、今回、両社が1月初めに総額8500万ドル(97億円)を折半出資し、合弁で米工場を設立して2020年にも量産化することで大きく踏み込んだことになる。

 ホンダとGMの提携関係がこのFCVに限らず、環境技術全般や自動運転やコネクテッドカー(つながる車)技術にも広がる可能性も出てきたといえよう。

 さらにホンダは2月7日、日立製作所の子会社である日立オートモティブシステムズと電気自動車(EV)など電動車両の基幹部品であるモーターで提携することを発表した。開発・生産の共同出資会社を設立し、日本の他、米国と中国でも工場を新設することを計画している。

Photo:HONDA

 ホンダは、本田技術研究所という創業者・本田宗一郎氏以来の技術・開発部門が始祖であり、歴代の社長も本田技術研究所出身という特異なメーカーである。それだけに従来から技術も「自前主義」だったが、今年1月、米ラスベガスでの世界最大の家電見本市「CES2017」で、松本宣之・本田技術研究所社長は「いかなる企業でも幅広い技術をすべてまかなうことは不可能となりつつある。だからこそ当社は戦略的な協業を積極的に仕掛けていく」と宣言した。

 ホンダがEV関連で提携した日立は、本来なら芙蓉グループとして日産との関係が深い。ゴーン体制以前の日産は、トヨタグループにおけるデンソーの役割を日立に求めたこともあるのだ。

 しかし、ホンダはFCVでの提携を深化させた米GMのEV「ボルト」にもモーターを供給している、日立との提携に動いた。昨年には米グーグルと自動運転の共同研究で合意し、ソフトバンクグループとAI(人工知能)の共同研究で提携したように、戦略的な協業を進めてきている。その意味ではホンダ独自の協業戦略が加速しているわけで、ホンダの孤立化は当たらないといえる。

 このように、トヨタは大きな枠の中での仲間作りとルール作りを進めるのに対し、ホンダは自動車メーカー間のグループ入りとは一線を画した協業戦略を推進しているのだ。