株式会社ダイヤモンド・フリードマン社は2月23日、食品MDをテーマとしたメーカー向けセミナー「ドラッグストアマネジメントセミナー ~ドラッグストアの店頭MDを考える~」を東京都港区の南青山会館で開催した。

 当日は食品メーカーのドラッグストア(DgS)担当者を中心に40名あまりが参加し、およそ3時間にわたって、講師陣の話に耳を傾けペンを走らせていた。

 セミナーではまず、弊誌編集長の田中浩幸より実際のDgS店頭写真を例示しながらDgSと食品スーパー(SM)とのMD政策の違いを解説。「加工食品を中心に、品揃えの構成要素こそ大きくは変わらないが、訴求ポイントと動線が大きく異なっている」とDgSにおける食品MDの概要を説明し、セミナーの開会を宣言した。

 講演は、株式会社ノティオの安藤恵吾氏が「DgSからの『新たな食品提案のために!』」というテーマで登壇した。安藤氏は、DgSの店舗運営に関する数値の経年変化を紹介した後に「現在はDgS企業間の同質化が進んでいる」と解説。売場づくりに手がまわりづらくなっている状況のなかで「卸+メーカーが商品の売り方やマネジメント手法を提案していくことが重要だ」と述べ、具体的なマネジメント実施の方向性を提言した。

 次いで壇上にはジェイビートゥービー株式会社の奥島晶子氏が上り、「データで見るドラッグストアの業態特性(食品を中心に)」と題した講演を行った。奥島氏はロイヤルカスタマーの購買行動がいかに店舗の売上に影響を与えるかを示し、彼らの離反防止こそがDgSにとっては重要なカギであると解説。顧客に支持される品揃えや販促、売場づくりを行い、リピート率を高めることが非常に重要であるとしたで、食品の細かなカテゴリーや店舗特性ごとに整理された具体的な数値を示しながら、DgSにおける食品MDのあり方を紹介した。

 最後は株式会社サンドラッグの原弘第3商品部部長が、パネルディスカッションのパネラーとして登壇。弊誌編集長とともに、DgSにおける食品MDの現状や課題、展望などについて意見を交わした。

 両氏のやり取りでは、DgS業界の現状として、食品部門でのプロの人材が不足する傾向も見られ、まだメーカーをはじめとするサプライヤーとの十分なやり取りが難しい状態にあると課題を分析。食品の導入も進み、MDが確立の方向にあるようにも見えるDgSだが、課題も山積しており、生活者意識の変化も見据えた、MD再構築の必要性を指摘した。

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