数あるSNSの中で今、急成長を遂げているのが米Facebook傘下の写真共有交流サービス「インスタグラム」だ。ユーザーは海外セレブから一般人まで幅広く、なかには、一般人にもかかわらず多くのフォロワーを抱える“インスタグラマー”も存在する。ファッショナブルで華やかなイメージのあるインスタグラムだが、そこには表面化しにくい“闇”があるという。(文/清談社 谷口京子)
「いいね」欲しさに
躍起になるインスタ女子たち
「ほかのSNSに比べて、より自己顕示欲が強いユーザーが多いような気がします。とくに女子力が高いキラキラアカウントの女の子たちは凄まじいですよ」
そう語るのは、かつてインスタグラムに登録し、意識的にキラキラな投稿をしていたという松井はるかさん(仮名・26)。ふわっと巻いた長い髪と、パステルピンクのひざ上ワンピースがとても似合う、可愛らしい女性だ。
「もともと、コスメやかわいいものが好きだったので、ファッション関連の投稿をたくさんしてました。同じコスメブランドが好きな子や私の投稿を気に入ってくれた子と仲良くなるのは楽しかったですね」
純粋にインスタグラムを楽しんでいた松井さんが、その後翻弄されることになったのが、インスタキラキラ女子特有の自己顕示欲の世界だったという。
「もっともわかりやすい例をあげると『いいね』稼ぎに躍起になっている女性ですね。たとえば、有名ブランドの新作バッグを発売初日に購入して、速攻でインスタにアップするんですよ。そうすると、同じバッグが欲しい子たちから『いいね』の嵐になるんです!誰よりも早く最新のものを手に入れて、誰よりも多く『いいね』をもらいたい、というタイプの子です」
松井さんが、さらに理解できないというのが、朝早くからデパートに並び、せっかく苦労して手に入れたものを、ほぼ未使用で売ってしまうことだという。
「その子はフリマアプリのアカウントも持っていて、買った商品を『似合わなかったから売ります』なんて言いながら、午前中に売りに出しちゃうんです。しかも、定価で売りに出すので転売目的でもないらしくて、本当にただの『いいね』稼ぎだったんだな、と思いました」
写真ありきのインスタは“どんな写真をアップするか”で「いいね」の数が決まる…それを突き詰めた結果、発売初日に買っては写真をアップし、すぐに売ることを繰り返すようになってしまったのかもしれない。