いで・るみ
食品ロス問題専門家。消費生活アドバイザー。博士(栄養学)(女子栄養大学大学院)、修士(農学)(東京大学大学院農学生命科学研究科)。女子栄養大学・石巻専修大学 非常勤講師。日本ケロッグで広報室長と社会貢献業務を兼任し、東日本大震災では食料支援に従事する。その折の大量の食料廃棄に憤りを覚え、自らの誕生日であり、人生の転機ともなった3・11を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンク、セカンドハーベスト・ジャパンの広報を委託され、同団体をPRアワードグランプリ ソーシャル・コミュニケーション部門最優秀賞や食品産業もったいない大賞食料産業局長賞へと導く。市会議員、県庁職員、商店街振興組合理事長らと食品ロス削減検討チーム川口主宰。平成28年度農水省食品ロス削減国民運動展開事業フードバンク推進検討会(沖縄)講師。同年10月『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)上梓、2016年11月、本著内容を国際学会Food and Societyで発表。ダイエットや栄養管理の問題にも詳しく、著書『一生太らない生き方 普通に食べてスリムになる方法』、『グリーンスムージーダイエット』監修の実績もある。

 フィリピンに渡航して以来、日本のクリスマスが薄っぺらく見えるようになりました。そこに込められている思いが伝わってこないからです。数年前、米国人の方と一緒に働いていたときには「日本のクリスマスでチキンを食べるのだけは許せない」という言葉も聞きました。「クリスマスに食べるのはターキー(七面鳥)だ」と。

 これと同じようなことを、林修さんがご著書『いつやるか?今でしょ! 今すぐできる45の自分改造術』(宝島社)のコラム「イベントに踊らされるな、日本人!」に書いていらっしゃいました。

 林さんは、バブル時代に学生時代を過ごし、クリスマスは大切なイベントだったそうです。

 ですが、日本に留学していた外国籍の男性が、日本のクリスマスについて「日本人って本当に幸せな民族なんだな、とつくづく思いますよ。でも、日本人が楽しんでいるなら、僕らがとやかく言うことじゃありませんよね」と語ったのを聞いて以来、クリスマスなどの既存のイベントとは距離をとるようになったとのこと。

 キリスト教徒は国民全体のわずかに過ぎない日本人が、クリスマスの意味もわからず、騒ぎ、消費に走っている。留学生の言った“幸せな”という言葉は“能天気”という意味でもあったのでしょう。

大量に安売りされていた
輸入ハート型チョコレート

 私は普段、食品ロス問題についての啓発活動を行っています。ある食品小売業主催の講演に呼ばれたとき、主催者の方が挨拶で次のような趣旨のことを語りました。

「クリスマス前になると卵が普段よりも売れる。正月前になると三つ葉が売れる。でも、その時期だけ、普段の10倍も20倍も卵や三つ葉が採れるわけではない」

「願わくば、消費は年間通して、均して(ならして)ほしい」

 都内のあるスーパーマーケットでは、賞味期限の迫ったものが安価で販売されています。昨年2016年の1月にそのコーナーへ行ったとき、翌年2017年1月賞味期限の輸入ハート型チョコレートが、ケースごと大量に安売りに出されていました。

「え?まだ1年以上も賞味期限残っているじゃない?」と思ったのですが、結局、それを残しておいても、その年のバレンタインデーに売り切れなければ、翌年の2月14日にはもう売れないから、一年も早めに安売りに出してしまうということなのでしょう。