外食業界に詳しい外食広報会の栗田朋一代表は「午後3時に会社が終わったら、すぐ飲みに行こうなんて人はいるはずもなく、家族がいる人なら帰ってしまいます。土日を合わせて旅行する人もいるでしょうし、たくさん食材を買ってきて、ホームパーティをやる人も多いと思います。いずれにしても会社近くの飲食店は『素通りしてしまう』と危機感を持っているのです」と説明する。

月末の金曜日は「稼ぎ時」
1.5倍の売上が吹っ飛ぶ?

 特にオフィス街の飲食店にとっては、今月末の金曜日は多くの会社が「給料日」ということもあり、「稼ぎ時」である。本来ならば、通常日の1.5倍以上の売上が見込めるという。仮に、それが大幅に減るとなれば、衝撃が大きいのも納得できる説明である。

 特に、都内の丸の内、大手町、京橋、日本橋、銀座周辺の飲食店では、危機感が強い。というのも、政府のイベントや活動に協力的な経団連に所属する大企業の客が多いからだ。

 実際、「金曜の夜、普通に営業していれば客は来るのに、政府は何てことしやがるんだ!」「何で月曜にやってくれないの?」との本音の声が聞こえている。

 そのせいか、オフィス街の飲食店によるプレミアムフライデーのイベントを見ると、あの手この手で『逃げる客』を引き止めようとする“努力”が垣間見られる。

あの手この手のイベントで
顧客を引き止める

 その多くは特別な割引メニューの設定などだが、通常は2~3時間程度の飲み放題メニューを6時間に延長する店もある。なかには食事の前にビジネス交流会などのイベント設ける店も。「要は、食事には早い午後3~6時の時間帯をどうにかして、その後の飲食につなげる仕掛けができればいいんです。この時間帯で、ブライダル相談会、料理教室、焼き鳥を焼く体験などの準備をしている店もあります」(栗田氏)。

 さて、実際はどうなるのか。そこは蓋を開けてみなければ、わからない。

 カギを握る「客」側であるオフィス街の会社員に聞いてみると、「月末の忙しい時期にそんなに早くは帰れない。プレミアムフライデーはおそらく定着しないだろう」(40代、金融)、「早く帰ってもやることもない。家族からは煙たがれるだけなので、いつも通りに働く」(50代、製薬)などの声も聞こえてくる。

 ある店主の「(売上減が)杞憂に終わってくれれば、ありがたい」という声が印象的だった。