米国も北朝鮮に対してこれまで以上に危機感を抱いている。27日ワシントンで開催した6ヵ国協議の首席代表による日米韓協議で米国は、2008年に解除した「テロ支援国家」に北朝鮮を再指定する検討に着手したと日韓に説明した。日本や韓国も今後の北朝鮮の動向については覚悟を持って臨むべき時に来ているのではないかと危惧される。

世界第3位の化学兵器大国
中東への輸出も疑われる

 韓国の国防白書によると、北朝鮮の化学兵器保有量は米国、ロシアについで世界第3位、25種類2500~5000トンを保有する。VXのほかサリンなど神経系に作用する6種類の猛毒物質を保有するそうである。

 今回使用したVXは有機リン系の猛毒の神経剤であり、同じ神経剤の中でももっとも殺傷力が高く、皮膚にわずかにつくだけで死亡するという。このため、化学兵器禁止条約では使用、生産、保有が禁止されている。なお、北朝鮮はこの条約には未加盟である。

 なぜ、それほど大量の化学兵器を保有しているのか。実は北朝鮮が保有する通常兵器は、年代物が多く、燃料も石油を中国から若干輸入している程度で、通常兵器によって米韓連合軍に対抗するのは不可能である。そうした中で自己防衛を図ろうとすれば、化学兵器が最も安価で効果的である。化学兵器を大量に保有すれば攻撃を受けないと考えた。このため、北朝鮮は、長年化学兵器の開発・製造に力を入れてきたのである。

 さらに北朝鮮は化学物質の使用ばかりでなく、輸出も疑われている。

 韓国国防省傘下のシンクタンク、国貿研究員の資料は「北朝鮮は金正恩体制発足以降、シリア政府に化学兵器の売却を大きく増やした」と紹介、シリア軍に軍事顧問を派遣、技術の助言や訓練指導までしたと説明しているそうである(「日本経済新聞」より)。これにより北朝鮮は科学物質を拡散し、核・ミサイル開発の資金を得ているのであろう。化学兵器を中東に輸出する国であれば、核・ミサイルも秘密裏に中東に輸出しようとしても不思議ではない。恐ろしい国である。

マレーシアの善意に
テロ行為で応えた北朝鮮

 今回の金正男暗殺事件は、北朝鮮にとって友好国であるマレーシアの善意を踏みにじって、不法行為を繰り返し、それが露見するとしらを切るばかりか、友好国を誹謗中傷する国であることを実証した。要するに北朝鮮に対しては友好的な姿勢で接しても、恩をあだで返す国だということである。