ひたすらにやるべきことを
一つひとつこなしていく 

「慣れていない新たなことに挑戦したくない」と拒否反応を示すのは、実は生物学的には正しい防衛本能ですが、これを打ち壊さないことには始まりません。だから無理やり行動する。無理やり経験させて、修羅場をくぐらせて、それに慣れさせることで、意識が変わる。必要に応じて、プロはそうした行為を自らに課すものなのです。

 そんなふうに、プロの行っていることはとてつもなくストイックです。イチロー選手の有名な“準備”(前回記事参照)も大変にストイックなものです。あんなことは真似できるわけがないと思うかもしれませんが、全部やる必要はありません。

 ただひたすらに、やるべきことを一つひとつやっていけばいいのです。一つやったところがまたゼロスタートになるので、そうやって一段一段登っていく。たぶんこうやって行動変容していくのがプロへの道だと私は思います。

 たとえば、何をやるという目的はなくとも、毎日1時間早く起きてみる。そのうちにやるべきことが見えてくる。1時間早く仕事場に行ってみる。あるいは朝のその時間を準備に費やしたり、散歩がてらに出社することで様々な情報を得られるかもしれません。さらに、早く起きるためにそれだけ早く寝るようになって、習慣も変わるでしょう。

 1週間に一つだけ、常に新しいことを始めてみるという方法もあります。始めるべきことを深く考えて決める必要はありません。何でもいいのです。ただ、自分に良かれと思うことを始めてみる。毎週一つ付け加わる新しいことの中に、続けられる行動が出てきます。それを大事にしていくと、それは習慣になり、あなた自身の性格や健康、あるいは仕事の仕方をいい方向に変えてくれるのではないでしょうか。

 そしていつの日か、イチロー選手のように、「グラウンドの中でできることはすべてやり終えた」と言えるかもしれません。言ってみたいと思いませんか?

(一般社団法人社会人材学舎 塾長 野田 稔 )