人生のすべてを懸けて
自らを追い込むのがプロ
最近、非常に感銘を受けた言葉に、元巨人軍の選手であった足のスペシャリスト、鈴木尚広氏のものがあります。目にしたのは、The Pageが1月30日に配信した記事で、論スポ、スポーツタイムズ通信社の本郷陽一氏が取材したものです。
記事のタイトルは『大型補強巨人が抱える「なぜ若手が育たない」の矛盾はキャンプで解消可能か』でした。
同記事で鈴木氏は「今の若い選手は、野球の重みを知らないように思えるのです。ひとつひとつのプレーが雑に見える」と述べています。
この言葉は本当に意味のあるものだと思いました。プロとしてのマインドセット(心構え、自分の考え方)がいかに大切なものであるかということを再認識させられました。
老荘思想家の田口佳史先生から聞いた話を思い出しました。それはある漁師の話です。天竜川の投網漁の達人だったと思います。
彼の投網は百発百中、まず外れがないのですが、翌日の漁の出来は前日の準備でほぼ100%決まると言います。
田口先生がプロフェッショナルの研究をされていた時、インタビューを申し込んだら、その漁師から「前の日の夜の10時に来い」と言われました。漁師小屋の二階にはあらゆる道具が揃っているのですが、翌日の天気を読み、川の状況を予測して、いかに準備をするか、成功の秘訣はすべて前の晩にある、と言われたそうです。できることを前日の準備ですべて行って、当日は運任せにしないというわけです。