「マックのコーヒー」と「コンビニのコーヒー」の決定的な違い【世界一のバリスタが解説】Photo:Diamond

初めてコンビニコーヒーを飲んだとき、街のカフェと遜色ない味が半額以下の値段で楽しめることに驚いたはずだ。なぜ、味と値段の両立ができるのか。マクドナルドの100円コーヒーの商品開発に携わった世界一のバリスタが、そのからくりを解説する。※本稿は、第15代ワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎英典『教養としてのコーヒー』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

マクドナルドで求められたのは
ハンバーガーに合うコーヒー

 危機に陥った日本マクドナルド(編集部注/2008年に100円で飲める本格コーヒーを提供し売り上げを伸ばすも、期限切れの鶏肉の使用や食品への異物混入などのトラブルがあり信用と業績が失墜した)でしたが、地道に信頼を回復するための手を打ち続け、2016年頃には業績も回復。再びコーヒーの品質改善に取り組みたいということで、ありがたいことに私に声がかかりました。

 私がコンサルティングをする際は、まず現場に張りついてこの目で見ることから始めます。お客さんがどういうふうにコーヒーを飲んでいるか観察するところからスタートするのです。

 マクドナルドの場合、現場を見る前は、お客さんはコーヒーを単体で飲むか、アップルパイなどの甘いものとペアリングして飲むかの2パターンが多いのではないかと思っていました。

 ところが違いました。一番多いのはセットメニューでコーヒーを選ぶケースだったのです。マックでコーヒーを楽しむ人からすれば当たり前のことかもしれませんが、コーヒーの常識からはなかなか考えられないコンビネーションです。

 ということは、ハンバーガーやポテトを食べながら同時に楽しめるコーヒーにする必要があります。