PLはこの減価償却費50万円を記入したことにより利益がもともとの1000万円から950万円に50万円下がりました。とういうことはBSの利益剰余金も50万円下がって950万円になっています。
BSの左側はどうなっているでしょう。もちろん現金に動きはありませんね。変化しているのは機械装置の価値です。機械装置は300万円の価値があったわけですが、この1年間に50万円分(減価償却費)の価値を使い切り1年後の機械装置の帳簿上の価値は250万円になっているということです。これが減価償却の仕組みです。
この減価償却と売掛・買掛という掛け商売の2つが、現金の動きがないのにPLが変化する主なものです。そういう意味では、この減価償却の考え方と売掛・買掛の処理の仕方がわかれば、複式簿記の一番難しいところは理解できたと思っていいでしょう。
第1回から今回の第5回までのコラムで、複式簿記会計の全体像と基本的な仕組みの説明は終了です。次回、最終回はPLとBSとCSの表の構造についてもう少し詳細な説明をします。
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