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新教科「情報I」や「物理」の難化に2浪生激増が話題を呼んだ2026年「大学入学共通テスト」から約1カ月。国公立大の第2次試験を間近に控える26年の大学入試はどう変わったのか?来年以降はどう変わるのか?連載『教育・受験 最前線』では、その答えを探るべく河合塾の近藤治・教育研究開発本部主席研究員へインタビュー。その「後編」をお送りする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
国公立大入試の負担増で
私立大入試と二分化が進む?
>>2026年大学入試の分析や「医学部離れ」聞いたインタビュー「前編」はこちら
――2026年の大学入試では、難関国立大学をはじめとする「国公立大離れ」が顕著になりましたが、それは一過性の現象といえるのでしょうか。
難関の国立大学の志願者が減っている理由は、これまでに述べた上昇志向やチャレンジ精神の弱まりもあるのでしょうが、やっぱり試験対策が大変なんですよね。大学入学共通テストは6教科8科目をフルで受けなきゃいけない。さらに2次試験では難関国立大になると3教科、4教科は当たり前。その上、2月下旬までしっかり勉強しなきゃいけない。
一方で私立大学の一般入試は多くても3教科。中には1~2教科入試で、かつ受験のチャンスは何回もある。東京大学は基本的に1回しか受験できませんが、早稲田大学や慶應義塾大学は学部をまたげば何回も受験できますよね。
さらに言うと、難関私立大においても年内入試(学校推薦型選抜、総合型選抜など)が非常に盛んになり、一般入試以外にもチャンスはたくさんあると。ですから、入試の準備の度合いを比べると、国公立大と私立大ではもうかなり違います。
難関国立大だって、少子化によって昔に比べれば入りやすくなっているはずですが、それ以上に「準備が大変だ」という思いが受験生にあるのではないでしょうか。高校で周りを見渡せば、「年内入試で11月に合格が決まった」とか、「正月は旅行に行くんだ」とか、「自動車の免許取るために教習所に通っているんだ」といった友達が増えてきて、国公立大志望の子どもは「なんで自分だけこんな苦しい思いを最後までしなきゃいけないんだ」という。そうした環境の変化が昔に比べれば大きい。
――国公立大と私立大の受験の在り方が、ここまで分離したということはかつてあったのでしょうか。今後、国公立大を目指す人はよりそれに特化し、私立大との併願が困難になっていくように思うのですが……。
そういう傾向はあると思います。特に共通テストが導入されてから。ようやく共通テストも6年目になり、色んな対策が講じられるようになってきましたが、それでもやはり一般的な私立大入試の出題とは全然傾向が違います。なので、私立大の専願者も一般入試と共通テストの二兎を追うような対策は困難だと思います。
明確に、ということではないにせよ共通テストを含めた国公立大の入試対策と、私立大のそれは徐々に分化していく可能性がありますね。
何も一般入試の話だけではなくて、年内入試も含めたトータルで考えても、国公立大は年内入試の割合はまだ少ないですし、増えたとしてもそんな爆発的に増えると思えないので、共通テストと2次試験対策に周到な準備が必要になってくる。ですので、私立大の年内入試との両方で難関大を目指すことは難しくなってくるかもしれません。
次ページでは、国公立大と私立大で進む入試の「二分化」の行く末ほか、大学全入時代における大学選びの在り方、さらには近藤氏が考える「勉学に励んだ証し」になり得る大学名を公開する。







