ウクライナにおけるロシアとの継続的な戦争の停戦に向けて協議するため、ベルリンの首相官邸で会合を開いた(写真はフランスのマクロン大統領=手前、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長=右と会談するドイツのメルツ首相=久利)=2025年12月15日 Photo:NurPhoto/gettyimages
中間選挙控え仲介の成果急ぐトランプ氏!?
ロシア、ウクライナも停戦急ぎたい事情
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、2月24日で5年目に突入する。
米トランプ政権は25年を通じて、停戦に向けた仲介の努力を続け、まだ実現には至らないものの、現在も、ロシアに提示する和平案を巡る米国とウクライナ間の協議、さらには米国・ロシア・ウクライナ3国間の高官協議が断続的に続いている。
1月22日には、スイス・ダボスで、世界経済フォーラムに出席したトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の8回目の首脳会談が行われた。
停戦交渉のポイントは、(1)領土問題、(2)戦後のウクライナの安全保証のあり方、の2点に絞られつつある。しかし、この2点を巡るロシア・ウクライナ間の隔たりは大きい。
領土問題を巡っては、ロシアが東部2州(ドネツク・ルハンスク)の割譲などを求めているのに対し、ウクライナ側は現在の前線で凍結することを基本線としている。
また、戦後のウクライナの安全保証については、ウクライナ側が集団的自衛権を定めたNATO(北大西洋条約機構)条約第5条に類似した保証を米欧が提供する案を提示しているのに対し、ロシア側はNATO加盟国の軍がウクライナに駐留することを拒否する姿勢を崩していない。
こうした状況を踏まえると、停戦が早期に実現する可能性はまだ小さいと言わざるを得ない。ただし、米国・ロシア・ウクライナのそれぞれの事情を考慮すると、26年中の停戦もあり得ない話ではなさそうだ。
米国は中間選挙を11月に控えており、大統領就任前、「自分が大統領なら、24時間以内に終わらせる」などと豪語していたトランプ大統領は、自らの“実績”を米国の有権者に示したいところだ。ウクライナへの支援縮小や停戦仲介の取りやめをちらつかせながら、双方に合意を迫ると予想される。
2月13日にも、トランプ大統領は記者団に対し「ゼレンスキー大統領は行動を起こさないといけない。さもなければ、(和平の)絶好の機会を逃がしてしまうだろうと」と、語り、ウクライナへの圧力を強めている。
一方のロシアは、「紛争の根本的原因の除去」を停戦の条件とすることを変えず譲歩する姿勢を見せていないが、ロシアやウクライナも米国が停戦仲介から手を引くことは望んでいない。
ロシアはまだ数年戦争を続ける能力があるとの見方が多いが、人的・物的消耗が激しい上、インフレの影響などから経済は足元で大きく減速している。ウクライナでは汚職問題などでゼレンスキー政権の基盤が揺らいでいる。
米国・ロシア・ウクライナのいずれにも戦闘を早期に終結したい事情があるため、26年中に停戦が実現する可能性は相応にあるといえるだろう。
停戦が実現した場合に何が起きるか。とりわけ、当事国であるロシア・ウクライナを除くと、ウクライナ侵攻によって最も多くの影響を受けた欧州は、「停戦後」もさまざまな課題を抱える。







