リフレッシュする時間を積極的につくる

ミュージカルは生身の人間が躍動する舞台です。
観るだけでも体力が必要ですし、劇場に行くからには、ある程度おしゃれもしなければなりません。
介護疲れがたまってきたAさんには、楽しみよりも負担のほうが大きくなっていました。

そのことに自分で気づかないほど、Aさんは疲れていたのです。

介護が始まると手続きなどの対応に追われ、半年ぐらいまでは無我夢中ですが、実際には自覚がないまま、3ヵ月が過ぎた頃から心身の不調が出始めます。

私は、ショートステイの利用をすすめました。
Aさん自身が、ある程度まとまった時間、心と身体を休めることが必要だと感じたからです。

介護を優先していると、いつも何かに急き立てられているようで、自分の楽しみの時間をどんどん削ってしまいます。
家族が要介護で大変なのに、自分だけ楽しむのは気がひける、と無意識のうちにブレーキをかけてしまっている場合もあります。

Aさんは、今までは必要ないと思っていたショートステイの利用に踏み切りました。
最初は不安でしたが、一度経験してみると、ゆっくり入浴して1人でのびのび眠れるだけで非常に快適です。

父親にとっても、施設のスタッフにやさしくされ、同世代の人と将棋や囲碁をするなど、いい気分転換になったようです。

ショートステイを利用するようになってから、Aさんは観劇やミュージカル仲間との交流も復活して、本来の自分を取り戻しつつあります。