ビジネスは、どこの国でも収益を上げることを目的に行っています。ところが同じ目的遂行をするにしても、 組織内での動き方や働き方は、日本と海外では大きく異なります。

 今回は、日本企業の国内の慣習に慣れた人が、海外の職場に入って戸惑う点、悩む点、驚く点などを事例を交えて紹介します。今後は国内でも外国人上司が増えることが予想されます。人の考え方や行動の違いを押さえておくことは、国内でも役に立つと思います。

ことばによる忠誠、実力でしか
評価信用されない人間関係

■「何も期待していないから、自由にやってもらいたい」

 日本企業では、自分の裁量で仕事をやらせてもらえますが、海外企業では経験や年齢に関係なく、仕事も目標も会社から与えられるのが当たり前です。

「君には、この仕事の内容で、この顧客をお願いしたい」

「この顧客を担当するのですか。過去数年なんの動きもありませんが」

「何も期待していないから、自由にやってみてほしい」

 何も期待していないと言われても、現実には1年間という時間設定があり、その中で決められた数字を上げなければなりません。自由にやってもらいたいとは言いながらも、現実にはすべての業務は一字一句、PCで報告し、ボスからの介入を受けます。

「報告書は、CRM(イントラ上)にアップしないでほしい」

 海外企業には、そう宣言する上司もいます。部下が報告を上げてきたら、上司には共に数字を達成する責務が課せられます。経営も、報告を上げた担当者、管理する上司双方に対して数字は100%達成するものと期待します。

 何も期待していないというのは、まったく表面上の言葉に過ぎず、海外ではすべての数字は達成して当たり前という考えです。

 海外の職場では完全なる能力評価、経験年数ではなく、すべては実績で決まります。最初からリスクを伴うと判断された従業員には、重要ではない仕事しか回ってきません。このように、日常業務の中で切磋琢磨し、知恵を絞って数字を上げることが自己研鑽につながります。