『もしドラ』がきっかけで
本を読む人増えたらすごいです

――売り場で、売れる冊数が増えていくこと以外で、『もしドラ』が広がっていく様子を実感したのは?

水上 書店にいるとお客さん同士の会話がよく聞こえてくるんです。で『もしドラ』について「この本知ってる?」って会話を何回も聞きました。

 面白かったのが、『もしドラ』以降、高校生をビジネス書売り場で見かけるようになったことです。ブームだからっていう理由だけかもしれないけど、高校生や大学生もビジネス書売り場に来てくれるようになりました。

 もしこういう若い人が『もしドラ』を読んで、ビジネス書って面白いなって思って読み続けてくれたとするじゃないですか。そうするとその人が最初に読んだビジネス書は『もしドラ』になるんです。それってすごいことですよね。『もしドラ』がきっかけで、本を読むようになった人がいたら…そう思うとこの本ってすごいですね。

――それは素晴らしいですね、その一翼を水上さんも担われたです。

水上 というより、そのお祭りに参加させてもらったことは確かですね。『もしドラ』を贈り物として買っていただくお客様も多かったです。また、普段から「何か人に贈るのに、いい本ないですか」と聞かれることが多いんです。こういう時『もしドラ』と言います。「いまこれを贈られる方が多いんですよ」って薦めるんです。それは事実ですから、まったく売り文句でもないし、誇張もしていない。本当のことを素直な気持ちでお伝えしているんです。気持ちがいいです。

 こうやって、ひとりでも多くのお客様に素敵な本を薦めていきたいです。

*この連載の意図は自社本の宣伝ではないのですが、図らずもこのような結果になったことご理解ください。すでに『もしドラ』はダイヤモンド社だけのものではないんですね。自分のことのように語ってくださった水上さん、ありがとうございました。