◇忙しい先輩たちとうまくやるために

 中小企業は忙しいのが常だ。そうしたなかで、先輩に「協力してあげたい」「教えてあげたい」と思わせるような、かわいげのある後輩になれれば、大きなアドバンテージになる。

 ここでいう「かわいげ」とは、ご機嫌取りに精を出すことを意味しない。自分で考えた意見を述べるなど、前向きな姿勢を見せる後輩ほど、かわいがられるものである。日本では「出る杭は打たれる」とよく言われているが、実際のところ、学ぶ意欲を全面に出しながら、先輩たちとの関係を良好に保つことは可能なのだ。

 また、仕事をしていればあらゆるところから叱られるものである。ときには、自分の失敗ではないにもかかわらず、怒られることすらあるだろう。ここで大事なのは、同種の失敗を繰り返さないことだ。凡ミスをしたら、言い訳をせずにとにかく謝り、事態の回復に努めることも重要である。

 叱られることが好きな人間はいない。しかし、上司や先輩からのアドバイスをありがたく感じることができれば、そこにコミュニケーションの回路が開かれるはずだ。

 最後に、若手ができる貢献として、積極的に職場の雰囲気を良くすることが挙げられる。居心地の良さは、仕事生活を送るうえで重要なポイントだ。職場の雰囲気の良さに貢献するためには、まず居心地の良さとは与えられるものではなく、自らつくりあげていくものだと意識するべきである。十数人からなる集団であれば、かならずホスト側とゲスト側に分かれる。そのとき、主体性を発揮してホスト側に立つことが、居心地の良さへの貢献へとつながっていく。

◇本当の意味で「迷惑をかけない」ために大切なこと

 不慣れな仕事が続くと、先輩や同僚に迷惑をかけてしまうものだ。そうしたとき、周りにかける負担をいかに軽減し、フォローしやすい状況をつくるかが重要になってくる。

 フォローしてもらいやすい状況をつくるためには、日頃から自分が取りくんでいる仕事を周知しておくことが求められる。フォローする側も、何をするべきかを理解していなければ、手伝うことはできない。とくに部下を複数抱えた上司の場合、一人ひとりの進捗状況を把握するのはむずかしい。そのため、こちらから積極的に働きかけることが大切である。

 理想は、普段から周りとうまくコミュニケーションをとれていることだ。そもそも、仕事に関する悩みや不満のほとんどは、同僚や関係者との人間関係に起因している。形式的なホウ・レン・ソウもたしかに重要ではあるが、上司や先輩たちとの緊密なコミュニケーションも、迷惑をかけないためには欠かせない。

 さらに、早め早めの伝達を心がけるようにしよう。直観的に「今」が伝達できる状況だと判断したら、迷うことなく伝えるべきである。後回しにすればするほど、事態は面倒なものになっていく。とくに、ネガティブな情報の伝達は、早いうちに行なう必要がある。自分の能力を超える案件についても同様だ。

 いずれにせよ、迷惑をかけること自体は避けられないし、過度に迷惑をかけないようにふるまうことも不健康である。むしろ、うまい迷惑のかけ方を考えるほうが、まったく迷惑をかけないようにすることを考えるよりも、互いにとっての幸せにつながるのではないだろうか。