GM破綻の最大の理由は、退職者に対する年金・医療保健制度だった。その負担(レガシーコスト)は巨額であり、北米で販売されるGM車は〝1台当たり1500ドル〟というコストを抱えるまでになった。

企業年金債務の切り離しは
GMの経営体質強化に奏功するか?

 今回、欧州事業の売却によりGMは、オペルの企業年金債務分としてPSAに30億ユーロを支払う。この額は買収額よりも大きいが、GMは最終的に40億~45億ドル(約4550億~5120億円)の負担で、欧州事業の年金および保険の債務を切り離すことができる。この効果は、GMの経営体質強化に対してはプラスになると予想される。

 なお、GMの欧州撤退に伴う市場の変化に対応し、シェア拡大を狙っている企業の筆頭が、ルノー・日産アライアンスとダイムラーの連合である。

 GMの欧州撤退は、GMの経営体質強化に直結するのか、規模を拡大するPSAはさらにスケールメリットを狙うのか……。2017年の自動車業界は、巨人GMの方針変更を受けてどうなるのか。目が離せなくなってきた。

報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)