新年度が始まって新入社員も入り、人事異動があった会社も多いだろう。「初めて部下を持つ」という人も多いかもしれない。そこで、多くの人は「良い上司」でありたいと思うことだろう。しかし、もしかしたら、多くの人が描く「良い上司」とは、部下の将来にとっては「最低最悪の上司」なのかもしれない。改めて「良い上司」について考えてみたい。(株式会社識学代表取締役社長、組織コンサルタント 安藤広大)

「良い」上司像は
「最低の上司」かもしれない

 ・部下の「頑張る姿」を評価するな
 ・上司は新入社員に「頑張る理由」を与えてはいけない
 ・「無礼講」を許すのはダメ上司

 これまで、私がダイヤモンド・オンラインに寄稿してきた記事の内容だ。でも、一般的に「良い」上司とされているのは、これらとは真逆の上司像かもしれない。例えば、下記のような上司像だ。

 ・部下の「頑張る姿」を褒めてくれる「良い」上司
 ・新入社員に「頑張る理由」を与えてくれる「良い」上司
 ・たまには「無礼講」を許してくれる懐の深い「良い」上司

 どうだろう。あまり、違和感を持たないのではないだろうか。実際、私がお会いする経営者、管理者の中にはこのような「良い」上司像を持つ方々も少なくない。

 しかし、このような上司が本当に「良い上司」と言えるのだろうか。結論は、これまで書いてきたように良い上司であるはずがない。部下の未来を奪う「最低の上司」であるというのが現実だ。