療養病棟の患者が看護師に明かした願い「家に帰りたい」本当の理由に胸が詰まる患者さんや家族の言葉の奥にある本当の想いや本来の目的を理解することを心がけている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

現役看護師であり、イラストレーター&漫画家のソファちゃんが命の終わりに関わる現場で働く人たちに取材を行い、人生の最期に向き合うことになる医療的な選択肢や最期を過ごす場所、家族にできることなど「その人らしく」生きる人たちを描きました。『命の終わりはだれが決めるのか』(日本文芸社)より抜粋します。マンガ『キーパーソンの選択』を受けて、ソファちゃんと、看取りコミュニケーション講師の後閑愛実(ごかん・めぐみ)さんの対談をお送ります。

療養病棟の特徴と
看護師の役割

ソファ:後閑さん、まず療養病棟についてお聞きしたいのですが、どのような特徴がありますか。

後閑:療養病棟は現在、医療療養病棟と呼ばれており、積極的な治療は必要ないものの、長期的な療養や一部医療的ケアが必要な患者さんが入院する場所です。主に70歳以上100歳前後の高齢者が多く、脳梗塞後遺症による麻痺やADL(日常生活動作)*の低下で介護が必要な方、がんの末期の方など、さまざまな状態の患者さんがいらっしゃいます。

ソファ:一般病棟とは少し違う雰囲気があるなと感じます。

後閑:そうですね。療養病棟は、一般病棟と比べると看護師の配置は少なめで、介護職の割合が高いのが特徴です。医療処置だけでなく、日常生活を支えるケアの比重が大きい病棟といえます。看取りを目的としている病棟ではありませんが、次の転院先や施設が見つからない場合には、そのまま入院となり最期看取りまで……というケースも少なくはありません。

ソファ:でも、だれでも入院できるわけではないんですよね。

後閑:少し専門的な話にはなりますが、療養病棟に入院するためには、医療区分やADL区分*という基準があります。たとえば、中心静脈栄養(TPN)でCVカテーテルや胃瘻などの医療処置が必要な方が対象となりますね。

ソファ:療養病棟での看護師の役割はどのようなものですか。