問題点の認識は、
改革のスタートラインでもある
数え始めれば退職金・企業年金制度の問題点はいくつもありますが、代表的な3つのポイントをあげてみました。「ウチの会社も当てはまるな」と思った社長や人事部長も多いと思います。しかし、それは大きな一歩です。
なぜなら、現状の制度の問題点を認識し、改革の必要性を感じることができたからです。どんな制度改革も現状認識、特に現状の「うまくいっていない」ところを把握し、虚心坦懐に受け入れることがなければ始まりません。
そして、退職給付制度改革はひんぱんに行うものではありません。また、ちょこちょこと何度も手直しをしながら精度を高めていくタイプの改革を行うべきではありません。
現状の制度の仕組みと課題をしっかり認識し、退職給付制度の改革に取り組んでいただきたいと思います。
山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
1995年株式会社企業年金研究所入社後、FP総研を経て独立。ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士、AFP)、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、消費生活アドバイザー。
若いうちから老後に備える重要性を訴え、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について執筆・講演を中心に活動を行っている。
企業年コンサルタントとしても活動しており、特に確定拠出年金については、業界団体である企業年金連合会で首席調査役として企業担当者の研修担当や企業向けガイドブックの執筆を行い、さらに厚生労働省社会保障審議会確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員も務める(2017年2月から)。「人事労務」等専門記事、マネー誌でも執筆ほか、日経新聞電子版で『人生を変えるマネーハック』を連載中。
著者ウェブ http://financialwisdom.jp twitter: @yam_syun