事情がわかれば会社の協力を得やすい

介護する側は自分の立場で判断しがちですが、Kさんのようなベテラン社員は会社にとっても貴重な戦力ですから、離職されてしまうのは大きな損失です。

深刻な事態になる前に会社側に相談し、まず自分の事情を理解してもらうのが得策です。

迷っていたKさんでしたが、思い切って上司に相談すると、じつは上司自身も遠距離介護の経験があったのです。

そして、「正直、人手が足りない今、欠員が出るのは厳しい。でもどんなことをしても応援するから、安心して休みなさい」と、介護休業を取るように勧めてくれました。

人事から「介護問題を抱える社員のモデルケースとしてできるだけバックアップしたい」と背中を押してもらったことも、介護休業に踏み切る決め手になりました。

Kさんは、約3週間の介護休業を申請して実家に帰省。日中過ごすためのデイケアの施設、リハビリや宿泊ができる施設を見学し、ケアマネと対策を話し合いました。

その後、母親も父親も納得できるケアプランが作成でき、Kさんは安心して仕事に復帰しました。