挨拶をすれば人間関係が修復できる
そして、たどり着いたのは、「挨拶」というじつにシンプルな方法でした。
時間がないときは、「おはようございます!」「お疲れさまでした!」を笑顔で言ったり、余裕があれば、「いつも助けてくれてありがとう!」「昨日はほんとうに助かった!」と一言、感謝の気持ちを添えるよう心がけました。
そうやって自分からコミュニケーションのボールを投げ始めて、しばらくしたある日、想像もしていなかったことが起こりました。
「最近どう? ちゃんと眠れているか? 何かあったら、いつでも相談に来なさい」と上司から、声をかけられたのです。
じつは、職場のコミュニケーションが取れていなかった頃、初めて取った介護休業から復帰したとき、「これ以上、職場に迷惑をかけるなら、辞めてもらっていい」と、厳しい言葉が飛んできましたから、その後、なんとなくギクシャクした関係が続いていました。
その上司が「いつでも相談に来なさい」と声をかけてくれたのです。
「職場でコミュニケーションが取れるようになった!」「自分の居場所が取り戻せた!」と飛び上がるほどうれしかったことを覚えています。
ささいなことですが、笑顔と感謝の挨拶によって、一時は「修復はむずかしいかもしれない」と思っていた職場の人間関係が大きく変わりました。
「挨拶なんかで、ほんとうに変わるの?」
「いつも挨拶しているけど、全然よくならないよ!」
と感じている方は、まず相手の目を見て、笑顔で挨拶することを試してみましょう。
●まとめ
介護について会社の理解を得るには、直属の上司だけでなく、人事担当者にも話を通しておくと、スムーズです。
「人事に相談すると査定に響くのでは?」と心配するかもしれませんが、「介護離職」は企業にとっても防ぎたい大きな課題。
「家族を守りながら仕事も大切にする」環境を提供したいと考えている会社は少なくありません。
事前に状況がわかれば、配慮してもらえる可能性が高くなりますし、他の社員の事例なども聞けるかもしれません。
深刻な状況になってからでは遅いのです。
会社独自の制度を設けている企業もあるので、心配な方は早めに人事に確認してみましょう。
同僚とのコミュニケーションには、ふだんから笑顔と感謝の挨拶を大切にしましょう。