シンデレラ城前の広場はガラガラでほとんど人影がない

東京ディズーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの遊園地に遊びに行と、人気アトラクションは2~3時間待ちもザラ。うんざりする人も多いだろう。ところが、並ばずにスイスイと楽しめる究極の"裏技"があるのだ。いくつかの方法を紹介しよう。(取材・文/ライター・奥田由意)

まるでゴーストタウン
誰もいないTDLに驚く

「まるでゴーストタウンのようで、驚きました」

 ゴールデンウィーク最終日の5月8日、都内に住む会社員Sさん(38歳)は家族と訪れた東京ディズニーランド(TDL)で信じられない光景を目の当たりにした。蒼天の下のディズニーランドが、なんと、無人――。

 時刻は午前8時。写真のとおり、園内中心にそびえ立つシンデレラ城前の広場にはほとんど人影がない。1日の入場者が5万人とも言われるTDL。一体なぜなのか。

 もちろん休園などではない。実は、Sさんは「アーリーモーニング・パーティ」というTDLの早朝貸し切りプランに参加したのだった。

 貸し切りプランの開園前は、プランの対象者だけとはいえ、入場ゲート前にそれなりの人だかりができていたが、ひとたび開園すると、瞬く間に、まるでどこかに吸い込まれたかのように人が消える。いくつかアトラクションに乗ったのち、広場に戻っても、ほぼ無人状態だったという。

 遊園地の貸し切りというと、芸能人の結婚式や富豪の豪遊を思い浮かべるかもしれないが、TDLには福利厚生目的で4000名を集めた企業や団体に対して、開園前や閉園後の1時間程度を貸し切りにするプランがあり、年に数回実施されている。

 人材派遣会社パソナの関連企業で、主として中小企業の福利厚生のアウトソーシングを手掛けるベネフィット・ワンは、企業や団体、地方自治体などに宿泊や旅行などの福利厚生プランを提供しており、このTDL貸し切りプランを今回初めて福利厚生の一部として採り入れて、5月8日の参加者を募った。Sさんの妻の勤務先がベネフィット・ワンのサービスに加入しており、このプランを知って応募したという訳だ。

 別の利用者によると、実施日の3ヵ月ほど前にメールと会報誌で参加者を募る告知があり、約1ヵ月前に募集開始するや否や、数時間で定員に達して締め切られていたという。

 料金は大人が8900円と、一般の入園料金7400円よりはやや割高だ。しかし、貸し切り時間後も閉園まで居続けられる。