ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
コンテンツ業界キャッチアップ

任天堂 岩田聡社長インタビュー
「Wii Uはゲームの家庭における存在意味を変え、
ゲーム人口拡大に貢献する」

E3スペシャル(前編)

石島照代 [ジャーナリスト]
【第18回】 2011年6月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

「Wii U」のコントローラ画面には、
携帯ゲーム機以上にリッチな画面が再現される

――Wii Uの専用コントローラは、携帯用ゲーム機になるのですか。

 違います。Wii Uは携帯型ゲーム機ではなくて、あくまで家の中で、自由に遊べる事を目指した端末です。Wii Uは場所の制約からも解消されますが、同時にテレビコンテンツとも仲良くすることもできます。

 たとえば、お父さんが野球中継を見ていてテレビがふさがっている時も、専用コントローラの画面で遊べます。また、LDKのようなスペースにWii U本体が置いてあった場合、お母さんがコントローラ端末を台所に持って行って、インターネットの動画配信でドラマを見ながら作業することも可能です。その上で、コンセプトビデオでお見せしたようなテレビと手元の2画面を連携させた遊びもできます。

 家族の誰かがどこかに持って行ってしまうと、他の家族から「不便になったから、リビングから勝手に持って行かないでほしい」と言われるような物にならないと、本当の意味で家族全員がいつも触ってくれるような物にならないと思っています。もしゲームに興味がない人も含めて、家族全員が触ってくれるようになれば、ゲームの家庭での存在意味が変わってくるかもしれない。

 その結果、最終的にゲームを遊んでくださる方が増え、我々が目標としている「ゲーム人口の拡大」につながるのではないかと思っています。なので、あえて外に持って歩けないようにしたと考えていただいても構いません。

手で持っているのが専用コントローラーで、テレビの右隣にあるのが本体。

「Wii U」とは
現行家庭用据置機「Wii」の後継機。2012年に発売予定。専用コントローラ(写真)には、従来のゲームコントローラ用ボタン類と6.2インチのタッチスクリーンを搭載、ハイデフィニション(高精細、1080p)画像、HDMIの対応、ジャイロセンサー、カメラなど多彩な機能が内蔵される。Wiiとの後方互換機能、Wiiリモコンなど現行機用Wii周辺機器も利用可能。価格は未定だが、「(製造原価から考えて)現在のWii と同じ価格(2万円)にはできないでしょう」(岩田社長)。

――携帯ゲーム機のように外に持ち歩けた方が便利では?

 我々ももちろん、コントローラの側にも高性能プロセッサを積んで携帯ゲーム機に近いような端末にすることも考えました。ですが、電池駆動のWii Uのコントローラで高性能なグラフィック画面生成を行うと、当然消費電力の制約が出てきます。

 Wii Uは、本体で画像を作って、Wii Uのコントローラに電波で飛ばしています。画像を生成している本体は電源につながっていますから、消費電力の大きな制約はありません。ですから、コントローラ画面に送られてくる画像は携帯ゲーム機以上にリッチにすることができます。

previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

コンテンツ業界キャッチアップ

ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

「コンテンツ業界キャッチアップ」

⇒バックナンバー一覧