今回はNPO法人のFacebook活用をご紹介する。Facebook、そしてソーシャルメディアを使って組織の認知度を上げていくためには、具体的に何をどのように行っていったら良いのだろうか。
NPO法人が「ソーシャル集客」に挑戦したわけ
福岡市に本部を置く「ヘルスコーチ・ジャパン」(以下HCJ)は、コーチングの普及により、個人と組織の活性化に貢献することを目的としたNPO法人だ。2008年に代表理事の最上輝未子氏が数名の仲間と共に立ち上げ、現在では全国に60名以上のメンバーを抱える。
非営利団体であっても、組織の運営維持のためには収入源を持たなければならない。補助金や登録者からの会費でまかなうNPOも多いが、HCJは補助金ももらわずメンバーから会費も取っていない。収入源は年2クール行う公開講座の受講費とNPOに依頼がある研修やコンサルティングの報酬のみ。そのため、公開講座の集客に力を入れることと同時に、NPOの活動そのものの認知度も上げるため、広報的な活動も行う必要があった。
NPO設立前からインターネット活用してきた最上氏がまず考えたのはSEO対策だ。SEO業者に数十万円を支払ってキーワードが上位表示されるように依頼したが、思うような結果は得られなかった。キーワード広告も同じ。検索対策では、費用に見合う結果が得られないと感じた最上氏が次に注目したのがソーシャルメディアだった。口コミを伝播させるソーシャルメディアなら、NPOの活動を自然な形で広めることができると考えた。
HCJのソーシャル戦略は、ブログとFacebookの活用が鍵となる。まず、ブログにホームページ機能を持たせ、講座の情報を入れ、そこから申込みができるようにした。「いいね!」ボタンと「Facebookコメント欄」という二つのFacebook統合ツールを設置。訪問者がブログにいいね!やコメントすると、Facebookに情報が流れる。Facebookページhttp://www.facebook.com/health.coach.jpも立ち上げ、ブログ記事をウオールで紹介した。
ブログ記事には、なるべく動画を取り入れるようにした。メンバーの紹介や受講生やクライアントのインタビューの動画を撮ってYouTubeにアップする。最初は大変だったが、慣れるのにはさほど時間はかからなかった。始めたばかりの時にはほとんど「いいね!」がつかなかったが、徐々に効果が現れ始め、半年ほどたつと、多いときでは200以上も「いいね!」がつくようになる。今ではファン数も1200人を超えている。
「好感を持って受け入れられられるようになったなあと手応えを感じています」(最上氏)。