インドで児童に対する性犯罪が蔓延している(写真はイメージ)

妊娠した10歳のレイプ被害者
医師が中絶へ

 10歳の少女が義父に繰り返しレイプされ妊娠した。脅されていたため、それを口外できなかったが、最終的に医師たちが中絶に踏み切った。市の裁判所が医療チームの意見を受け入れる意向を示したからだ。インドの法律では、20週を経過した中絶は禁止されている。母体が危険にさらされている場合は別だ。

「地方裁判所の指示を受け、私たちの医療チームは被害者を検査しました。分娩でも、中絶でも、いずれにしても合併症の可能性があります。出血が止まらず、傷が治らないこともあります。薬の副作用などもあるでしょう。ですが、私たちは決心し、警察に報告書を提出しました」と、ロータクにあるバグワット・デイアル・シャーマ医大病院(PGIMS)のアショク・チョーハン院長はインディアン・エクスプレス紙に語った。

 8人の医師からなる医事局によると、この少女は妊娠18週目から22週目の間だという。チョーハン医師は、医療チームは裁判所から2つの選択肢を与えられた、とヒンドゥスタン・タイムス紙に話した。胎児が法律で定められた20週の上限を超えないと考え中絶するか、または胎児がそのまま完全に育つまで待ち、出産するかだ。しかし、10歳の少女にとって出産は大きな精神的ダメージがあると考え、医師たちは人間的な医療行為を決断し、中絶に踏み切った。

 インドでは児童に対する性犯罪が蔓延している。犯罪記録局(NCRB)の最新データによると、約70%急増しているという。児童に対する性犯罪は2015年に1万4913件が報告された。前年は8904件だった。レイプ、痴漢、児童ポルノ、性交渉のための児童人身売買などだ。子供は大人たちの圧力によって口止めされているため、虐待者の身元は分からないままだ。