「介護していることを周りにどんどんカミングアウトすることで、気持ちも楽になるし、いい情報も入ってくる。ケアマネージャー以外にも地域に相談相手を見つけておくといいでしょう。

 地域の貴重な情報資源が 、経験豊かな“おばちゃん”。居酒屋や定食屋で働く年配女性などを見つけ、話し相手になってもらっては。姑の介護経験などがある場合は、いい情報をたくさん持っているはず。あるいは、地域包括支援センター、社会福祉協議会、民生委員などに相談を持ちかけるのも手です」(中島さん)

 同じように介護をしている人と話し合うのもいい。NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジンでは、シングル介護をしている人々が集うサロンを開いている。また、自治体で開催する介護セミナーや介護教室に出かけたりすると、「介護仲間」との出会いがあるはずだ。「つらいのは自分だけじゃないんだ」「そんな介護の方法があったのか」など発見も多いはず。

「ちょっと勇気がいるかもしれませんが、職場の同僚や上司にも話をしてはどうでしょう。メーカーに勤務していたある男性は、思い切って介護していることをみんなに明かし、『これからは5時に退社するけれど許してほしい』と持ちかけたそうです。介護疲れからミスが続発しており、このままでは周囲に迷惑をかけてしまう――と思い悩んだうえでの決断でした。今、男性は在宅勤務をしながら介護をしています」

 腹を割って話せば、理解してくれる人はいるはずだ。オープンにすることで、介護休暇も少しは取りやすくなるだろう。その場合、いきなり3ヵ月休むのではなく、細切れに取る方法もある。親が倒れた当初は少し長めに休ませてもらって対策を練り、その後は状況に応じて少しずつ取得していく、などだ。

「親の介護は自分の仕事と思い込んでいる人が多いが、そうではない。息子や娘の仕事は介護のマネジメントをすることだ」と中島さんは話す。他人任せにするのは無責任だ、などと考えずにどんどんプロの手を借りよう。地域包括支援センター、ヘルパー、デイサービス、ショートステイ、あるいは民間やNPOの配食サービス、そして施設。息子、娘はとかく介護に前のめりになりがちだが、どこかで「自分は自分」と冷静に事態を見つめる必要があるのではないか。

 親を捨てて仕事を取れば悔いが残るだろう。かといって、仕事を捨てて親を取れば自分が立ち直れなくなってしまう。では、どう両者のバランスを取り、どんなスタンスで介護ライフに臨むのか。それは自分次第だ。

 さて、親が倒れた時、あなたはどうしますか?