まず考えるべきは「自社をどのように位置づけるか」

 三幸製菓は「菓子メーカー」であるということ以外はなにも学生に印象はない状況。企業規模はおろか、新潟に本社があること、どんなお菓子を販売しているかすらも知られていない、無色透明の状態でした。

 大事なことは、いかに自社を学生に無色透明の状態から強烈に印象づけるか。それは広告や広報の領域でのブランディングではないか、と思い至りました。

 そこで私は、社内でマーケティングをしている担当者に尋ねてみたところ、あるヒントを教わりました。それが「ポジショニング発想」です。

「杉浦さん、ブランディングに関連する概念で大事なことはポジショニングです。自社をどのように位置づけるか。それによって、どのように顧客に認知してもらうか、ということが大事です。競合他社と違って、三幸製菓をどのように学生に認知してもらいたいか、そこをまず考えてみたらどうでしょう?」

 マーケティング担当者からのアドバイスをもとに、さっそく、ポジショニングの本を数冊買い込んで読み込んでみました。

「三幸製菓という企業は、日本企業全体の中でどういうポジションにあるのだろうか」「ポジショニングを認識したうえで、どういう伝え方をすれば学生が惹きつけられるのだろうか」を考え、ポジショニング発想で自社を位置づけて考えてみたのです。

 そこを起点にすることで、採用戦略の立て方が一気に変わっていきました。

 次回は、「ポジショニング発想」から採用のためのブランディングのキーワードを見つけるに至ったお話をしたいと思います。