プロ野球は開幕して2ヵ月ほどが経った。
現在はセ・パ交流戦が行われているが、両リーグとも話題は豊富だ。セ・リーグは広島と阪神が熾烈な首位争いをしている一方、FAで大補強した巨人が10連敗を喫するという泥沼にはまっている。パ・リーグで注目を集めているのは北海道日本ハムの近藤健介。打撃が絶好調で未だに4割をキープ(4割9厘)。出塁率に至っては5割6分9厘という驚異的な数字を残している(記録はすべて6月5日現在)。近藤はプロ6年間の通算打率が2割8分の好打者だが、今年は数ランク上の打撃の奥義をつかんだように見える。いつまで4割台を継続できるか楽しみだし、気は早いがNPBのシーズン最高打率3割8分9厘(1986年、ランディ・バース)の更新を期待したい。
だが、今季のプロ野球で一番のトピックスといえば東北楽天の快進撃だろう。楽天は球団ができて今年で13年目になる。これまでの成績を振り返ると、星野仙一監督時代の2013年の優勝(日本一も)と野村克也監督時代の2009年の2位があるものの、他の10シーズンはすべてBクラス。梨田昌孝現監督が就任した昨年も5位に沈んだ。
この成績から、パ・リーグでは弱い方の球団というイメージがあり、開幕前も評論家連から上位争いをするという声はほとんどなかった。だが、この2ヵ月間はその低評価を吹き飛ばすように白星を重ね、5月28日にはソフトバンクとともに30勝目をあげた。なお、ソフトバンクは49試合で30勝だったのに対し、楽天は42試合目での30勝。これはパ・リーグ史上4位の早さでの30勝到達だ。