東大エリートが得意な
「話題の巧妙な言葉のすり替え」

 図書行政商議会の場で1人で対抗しても事態をひっくり返せないと悟った私は、とりあえず、一番の被害者である学生たちに、この事態を伝えるべきだと考えて、ある学生にメールしました。それから、知り合いの東京新聞の記者にも公開可能な情報を伝えました。

 このことで、私は図書館館長から「リークをした」と責められることになりました。確かに、私が大学側からの正式発表を待たなかったのは事実ですが、図書行政商議会で決まったことは、最終決定なのですから、一刻も早く関係者に知らせるべきことなのです。しかも閉館まで4ヵ月くらいしか時間がありませんでした。

 そこから、学生たちはがんばりました。「閉館に反対する学生の会」が結成され、署名サイト「change.org」で1年間閉館への反対署名を集めるとともに、文部科学省で工事計画見直しを訴える記者会見も行いました。東京新聞のスクープを受けて行われたこの会見は、主要マスコミが取り上げました。

 この大騒ぎによって総長が、代替措置の徹底に責任をもって取り組む、と科所長会議で発言されたと聞いています。科所長会議とは、各学部・研究科と研究所の長が集まる重要な会議です。なぜかこの発言は、公開された議事要録には出ていないのですが。その成果が、前述したように「1年間閉館を2週間に短縮」だったのです。

 総長は学生たちが行動を起こすまで、「1年間の閉館」を知らなかったのでしょうか?私は「聞いていたけれど、認識できていなかった」のではないか、と推測しています。というのも、東大エリートたちは「話題の巧妙なすり替え」が得意だからです。上述の、私が欠席した委員会では重大な決定が下されていたのですが、私は直後にその資料を慎重に読んだにもかかわらず、その時には「大した議題は出なかったようだ」と判断していたのですから。