このWebマーケティングシステムの場合、たとえば、Webを使っても従来の「この会社らしい売り方」ができるような機能を追加する必要があるかもしれません。
あるいは、「もう今までの売り方では通用しないんだ。Webを活用しないと会社は衰退してしまうんだ」と、経営層から社員へ直接説得する必要があるかもしれません。
もしくは、マーケティング部の言っている「外部に頼んだほうが良いのではないか」という意見も一理あると考え、ここのシステム化の内製は行なわず、外注に出す方法もあります。
「いや、やはり自分たちなりの情報がなければダメだ」と、反対しているマーケティング部を説き伏せる方法もあるでしょう。
いずれにせよ、なんらかの手を打たなければ、セールス部やマーケティング部は、このシステムを使ってくれない、あるいは、開発・導入に全く協力してくれない危険があります。
悲劇を回避する「2つの質問」
システムを企画する場合には、このように、「このシステムを入れて誰がうれしいのか?」「誰がうれしくないのか?」という2つの質問を念頭に置き、関係者の意見を集めて、それに応じた、きめ細かい対策が必要になるのです。
私の著書『システムを「外注」するときに読む本』の第1章では、システム導入を担当する主人公が、こうしたことに気づかず、システム開発プロジェクトが大ピンチに陥ります。
ご自分の会社や業務にあてはめていただきながら、ぜひ、ご一読くださればと思います。