「こんなダメシステム使えない!」という悲劇を回避する「2つの質問」
細川義洋(Yoshihiro Hosokawa)
経済産業省CIO補佐官。ITプロセスコンサルタント。立教大学経済学部経済学科卒。元・東京地方裁判所民事調停委員・IT専門委員、東京高等裁判所IT専門委員。 大学卒業後、NECソフト株式会社(現NECソリューションイノベータ株式会社)にて金融機関の勘定系システム開発など多くのITプロジェクトに携わる。その後、日本アイ・ビー・エム株式会社にて、システム開発・運用の品質向上を中心に、 多くのITベンダと発注者企業に対するプロセス改善とプロジェクトマネジメントのコンサルティング業務を担当。独立後は、プロセス改善やIT紛争の防止に向けたコンサルティングを行なう一方、ITトラブルが法的紛争となった事件の和解調停や裁判の補助を担当する。
これまで関わったプロジェクトは70以上。調停委員時代、トラブルを裁判に発展させず解決に導いた確率は9割を超える。システム開発に潜む地雷を知り尽くした「トラブル解決請負人」。2016年より経済産業省の政府CIO補佐官に抜擢され、政府系機関システムのアドバイザー業務に携わる。著書に『システムを「外注」するときに読む本』(ダイヤモンド社)、『なぜ、システム開発は必ずモメるのか!』『モメないプロジェクト管理77の鉄則』(ともに日本実業出版社)、『プロジェクトの失敗はだれのせい?』『成功するシステム開発は裁判に学べ!』(ともに技術評論社)などがある。
『システムを「外注」するときに読む本』
著者からのメッセージ
「システムに欠陥が多すぎて使いものにならない」
「当初は5000万円でできるはずだったシステムが、結局2億円かかった」
「作業が遅れて、いつ終わるのか見えない」
「自分が使うシステムなのに、なぜか社員が協力してくれない」
「経営者がシステムのことをわかってなさすぎる」
「システム担当者は、いくら頑張っても感謝されない!」
あなたの周りの人が、そんなことを言っているのを、耳にしたことはありませんか?
もしかするとあなた自身が、そう感じたことがあるかもしれません。
少し前まで、日本のシステム開発プロジェクトの成功率は、たったの3割と言われていました。実に3分の2以上が失敗していたのです。
新しい開発技術が生まれたことなどから、今ではずいぶん改善されましたが、それでも他のプロジェクトに比べると成功率が非常に低いのが現状です。
私は、かつて大手システムベンダーのプロジェクトマネージャーとしてシステム開発の現場に携わり、その後、東京地方裁判所、東京高等裁判所のIT専門委員として、日本中の、ITトラブルが法的紛争となった事件の和解調停や裁判の補助を担当しました。もちろん、私自身も、エンジニア時代は数々の失敗を重ねてきました。
決して自慢できることではありませんが、これまで携わったトラブルプロジェクトは70以上。調停委員時代、トラブルを裁判に発展させず解決に導いた確率は9割を超えました。今は、経済産業省の政府CIO補佐官として、政府系機関システムのアドバイザー業務に携わっています。
その経験から私が強く感じるのは、「システムの開発は、発注者とベンダの協働作業」だということに尽きます。
「お客様 vs 受注者」
「システムの素人 vs システムのプロ」
「この通りに作ってくださいね」vs「そうですか。わかりました」
そうした対立関係を乗り越えて、発注者が「お客様」から「プロジェクトメンバー」にならなければ、本当に役に立つシステムを完成させるのは困難です。
『システムを「外注」するときに読む本』では、私が数々の失敗プロジェクトを見聞きしてきた経験を総動員して、システム開発プロセスに潜むトラブルの種を取り除き、ベンダと協力しながら「本当に役に立つシステム」を完成させるための最低限の知識を、7つのストーリーにまとめました。言わば、膨大な失敗事例から見えてくる、成功のポイントを凝縮した本です。
発注者企業のみなさま、ぜひ、本書を自社のシステム開発の参考にしていただければ幸いです。
【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ 】
『システムを「外注」するときに読む本』
★7/17「日本経済新聞」掲載で大反響!
★山本一郎氏激賞!→【書評】目次ですでに感動巨編『システムを「外注」するときに読む本』
「冒頭どころか目次から感動巨編すぎて涙が止まらなくて読者総立ちの展開なのですが、パッケージであれ逸品もの開発であれ買収先とのシステム統合であれ、行きつくところは「どういうシステムに仕上げて、どういう効果を上げるのが目的の開発なのか」がきちんと発注者側がイメージできていないと死なのであります」(抜粋)
★ 激賞の声、続々!★
「人にモノを頼む仕事すべてに通じる、炎上コントロールの教えが満載」
「システム開発に関わる人は全員読んだほうがいい」
「超リアル。共感しすぎて読みながら涙出てきた」
★発売早々第3刷出来!Amazonランキング1位獲得(「IT」 カテゴリ)
●70以上のトラブルプロジェクトから「失敗の本質と原因」を網羅し、 成功のポイントだけを抽出した7つのストーリー!
●元大手システムベンダーのプロジェクトマネージャー・元東京地方裁判所IT専門委員、 現経済産業省政府CIO補佐官。システム開発プロセスに潜む「地雷」を知り尽くしたトラブル解決請負人が、成功率を「3割」から「9割」に上げたスキルと知識をギュッと凝縮!
●会社を幸せにして、みんなに感謝され、評価される。かつてない経営者・CIO・システム担当者・プロジェクトマネージャーの必携書!
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【本書のおもな内容】
●要件定義に欠かせない「業務フロー図」の書き方
●「プロジェクト管理能力」でベンダを見極める方法
●ベンダが一緒に仕事したくなる発注者、見捨てたくなる発注者
●プロジェクトメンバーの「モチベーション」の上げ方
●社員の意識を変えるために「経営トップ」がやるべきこと
●みんながシステム担当者に 協力してくれる「しくみ作り」
●トラブルを回避する「リスク管理プロセス」
●ダメージを最小限に抑える「セキュリティ対策」
【すぐに役立つチェックリストやツールも満載】
★システム開発プロジェクトにおける発注者の役割一覧
★プロセス別:発注者のおもな作業一覧
★要件定義で最低限確認しておくべきチェックリスト
★ベンダが作るプロジェクト計画書とプロジェクト管理計画書の記載項目例
★要件の必要性・十分性をチェックするための3ステップ
★プロジェクトのリスクを管理するプロセス
★プロジェクトのリスクを発見するチェックリスト
★「フィーリングマップ」の使い方
★「Goサイン」を出す社長の思考を予測する方法 など
本書の構成
第1章 システム作りは業務フローから〜「本当に役に立つシステム」を作るために、まずやるべきこと
第2章 発注者に最低限必要な知識〜自社の業務を「正確に」知っているか?
第3章 失敗しないベンダ選びのポイント〜プロジェクト管理能力の見極め方
第4章 社内の協力を得るために〜みんながシステム担当者に協力するしくみ作り
第5章 リスク管理で大切なこと〜「ベンダ側のリスク」の引き出し方
第6章 ベンダとの適切な役割分担〜発注者はどこまで「ワガママ」でいられるのか?
第7章 情報漏えいを起こしてしまったら〜ダメージを最小限に抑える対応法