巨人がなかなか勝てないチームになってしまった。
ご存じの通り、先週は84年におよぶ球団史で最多だった連敗記録11を更新したばかりか、13にまで積み上げた。どん底で迎えた9日の北海道日本ハム戦は先発マイコラスの力投もあって連敗を脱出したが、2-1の辛勝。やっと勝てたという印象だった。
そして、その後の2試合は再び連敗。長いトンネルを抜けても、チームに反撃の気配は感じられない。セ・リーグには巨人以上に絶不調の東京ヤクルトがいるため、5位にとどまっているが、借金は11(6月12日現在・データは以下同)。ペナントレースはまだ3ヵ月半、85試合残っているのが救いだが、優勝争いに加わるのは、かなり厳しくなったと言わざるを得ない。
巨人の連敗記録を報じるネット記事に対するコメントを見ていたら「これで巨人ファンも、他の5球団のファンの気持ちが分かっただろう」というのがあった。巨人は1960年代から70年代にかけてV9を達成、その後も大型補強などで強さを維持し、低迷が続くことはなかった。が、他の5球団は多かれ少なかれBクラスから浮上できない暗黒期を経験している。それらのファンは負けが続く辛さを乗り越えて応援してきたわけで、今回ばかりは巨人ファンも、その心境が理解できただろうというわけだ。
実際、連敗中の試合後の巨人ファンは経験したことがない衝撃を受けたような表情をしていた。最近の巨人の応援席はオレンジのレプリカユニフォームを着たファンが多い。本来明るい色のオレンジに染まった応援席も、連敗中は沈んだ色に見えた。